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ブログ・川﨑 依邦
一人でも入れる労働組合がやってきた(43)経営は一人ではできない
2012年4月27日
?会社組織の確立ー定例の「実績検討会議」をする。
A社長のワンマンでは限界がある。全てのことを1人で決めていくことは会社組織とは言えない。思えば創業以来、会議というものを行っていない。A社長が思いついた時に、必要なメンバーを集めて指示を出すことはある。単に指示、命令のみなので会議とは言えない。そもそも会議のやり方が分からない。会議に出るメンバーを誰にするのかについても思いつかない。組織図がないからである。そこで組織図づくりから着手する。配車担当者は配車課長とする。次に、ドライバーの中から班長を選ぶ。班長の基準は5年間無事故を続けている者にする。荷主クレームがない模範ドライバーを2人選出するのだが、選出までのプロセスが難航する。「班長と言ったって何をするんですか。俺は単なるドライバーですよ」と辞退してくる。そこを説得していく。
班長の役目は、月1回開催する実績検討会議に参加して、会社の状況を知ってもらうことにある。会社の直面している問題を班員のドライバーに伝える。そのため、月1回は班長が中心となって各60分程の班ミーティングを行う。このミーティングには配車課長と社長も出席する。
さらに無事故、クレームゼロを目指していくことにある。実績検討会議に出席し、班ミーティングを行うことが班長の中心的任務である。そして、財務、経理、管理部門を担当する事務リーダーが1人加わる。
会議のメンバーは社長、配車課長、班長2人、事務リーダーの5人と、外部専門家として経営コンサルタントが入る。経営コンサルタントは会議指導者である。会議資料は日々収支表、月次試算表、月次報告書とする。会議の進行表を作って、会議指導者は司会をする。起立、礼に始まり、けじめとメリハリをつけた進行をする。
実績検討会議のテキストとなるのが「経営方針書」である。これは会社にとっての羅針盤である。羅針盤をしっかりすることで会社の進む方向性がはっきりし、目標が明確化する。これまでのA社長の成り行き、行き当たりばったりの経営から脱皮していく。
1人でも入れる労働組合の洗礼を受けて、A社長には悟るものがあった。経営は1人ではできない。全員一丸となって経営をすることである。?経営者と、働く一人ひとりの気持ちを通い合わせ、コミュニケーションを良くしていくこと?である。「経営方針書」を錦の御旗として、これから着々と進んで行こう。A社長の悟りである。
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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