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  • ブログ・川﨑 依邦

    一人でも入れる労働組合がやってきた(46)解決金交渉で早期決着

    2012年5月25日

     
     
     

     「解決金交渉とは、どういうことですか」。A社長が質問する。「はっきり言ってB君はこのままドライバーを続けることはできません。辞めるにあたってB君にいくら金を渡すか、これが解決金交渉ということです」。



     一人でも入れる労働組合の大物氏としては、ここで粘っても不毛と判断したわけである。荷主からドライバーとして「来るな」と通告されたドライバーはかばいきれない。実際、B君は小さなミスを繰り返している。ドライバーとして不適の烙印を押されて別の仕事を用意できるほど、中小企業に余裕のないことも分かっている。

     A社長が、もし「解雇」と言ってきても労働争議をするほどのこともない。労働争議にも大義がいる。労働組合としての大義がいる。今回のケースでは大義が弱く、迫力に欠ける。「荷主に対して不当だ。どうして出入り禁止にするのか」と押しかけてどうなるものでもない。大物氏の判断である。それでは法廷闘争はどうか。?弁護士に金を使うだけ?である。双方とも弁護士費用が発生し、時間もかかる。ここは早期解決しかない。大物氏いわく「ずばり300万円でどうですか」。A社長は内心びっくりする一面でホッとする。「結局は金か、金での解決か…」A社長の答えとして「300万円は無理だ。解雇予告手当金の1か月分に、さらに1か月分を加えて渡すということでどうか」。結局、解雇予告手当金2か月分ということで結着する。

     「解決金の振り込みはこの口座にお願いします」。提示された口座は、B君の口座ではなく一人でも入れる労働組合の口座である。かくしてA社の分会員は一人減る。残りは一人である。

     一人でも入れる労働組合問題の大きな転機である。残りの一人については再雇用問題がある。この一人=分会長が60歳になっても再雇用するつもりはない。「結局は金か。金での解決か…」の悟りが頭をよぎる。このまま労働組合と交渉しても再雇用問題でA社長は譲る気はしない。そうするとこの際、金で解決しようとA社長は腹を決める。

     A社長は振り返る。「我が社で労働組合に入った五人は何か得をしたのだろうか。結局、全員辞めることとなる。雇用を守るはずの労働組合に入って結局、辞める羽目になって、それでよかったのだろうか」。もちろんA社長は一人でも入れる労働組合の出現によって今までの経営のやり方を反省した。A社でのコミュニケーションの悪さや、組織として体を成していないことなどを深く反省した。それでもA社長は振り返る。「労働組合に入った五人はそれでよかったのか」。

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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