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ブログ・川﨑 依邦
中小運送会社の経営改善の記録(8)激動の3か月を超えて
2012年8月24日
激動の3か月(平成19年11月〜同20年2月)とは、どのようなものであったか。
?プレジャー(旧社名昌和運輸、同21年1月にプレジャーへ社名変更)の常務(現場実務最高責任者)のメッセージを紹介する。メッセージとは社内報第1号(同20年2月21日発行)に掲載した文章のことである。「〜新生「昌和運輸」の出発にあたって〜 激動の3か月を超えて──その後の成長の軌跡を築く
私が赴任当初、2か月が過ぎるまでは、荷主様からは、「君が引き継いでやるのは無理やと思う」「何で急に前任の配車係がいなくなるんや」「客に迷惑かけてどういうつもりや」「昌和はもう駄目だ」等々、厳しいお言葉を頂戴しました。その過程を経てこの時期を迎えることが出来たのは、ドライバーの皆さんの協力と支援なくしては考えられません。色々教えてもらったり、助けてもらったりしました。その結果、荷主様との一定の信頼関係も築くことが出来ました。「新しい昌和運輸を応援してくれる」という言葉も頂くことが出来ました。まずは、心から御礼申し上げます。この3か月間は、配車効率が悪かったり、水揚げ(売り上げ)が思うように上がらなかったり、ドライバーの皆さんには歯がゆい思いもあったかと思います。これからは、本当の闘いに勝つための土台作りの期間です。本当の闘いとは、配車体制を強固にすること(全員協力体制をとること)です。これまで以上に全員一致協力体制は不可欠です。荷主様は我々を応援してくれていますが、同時に厳しい目でチェックしています。頑張れば、かならず評価してくれる心を持ったすばらしい荷主です。荷主に尽くすことで会社に貢献する。これからも頑張りましょう!」(showaニュース第1号より)
労使間の不信、加えてメーン荷主からの不信、更に配車業務の至らなさと絶体絶命のピンチの日々であった。時は正に冬、気分としても厳冬只中の日々である。しかしこのピンチが労務危機を救うことになる。「会社がいつ潰れるかも分からないのに揉めている場合ではない」と、団体交渉がなくなったのである。労働組合の上部団体もやってこない。自然に労働組合の活動が鈍ってくる。そして常務の後任として、元委員長が配車係となる。同20年3月のことである。荷主からの取引停止も解除されている。新生プレジャーとしての出発である。
そこで取り組んだことが、グリーン経営とGマークの取得である。ドライバーの協力なくしては取得できない。
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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