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  • ブログ・川﨑 依邦

    経営再生物語(68)経営活性化シリーズ17

    2014年8月7日

     
     
     

     ?日々収支を掴むことの大切さ=管理会計を確立する



     管理会計収支は、経営者および管理者が経営判断、営業方針を決定するための判断材料である。企業を取り巻く経営環境は刻々と変化しており、その変化に適応する経営を実践するために収益状況を月次で管理会計として把握することは必須となる。

     月次の管理会計収支をうまく活用し、その元データ(日々収益)について詳しく把握し、さらにリアルタイムの経営判断をできるようになることが理想である。月次収益からさらに落とし込んで日々収益がどのように推移しているのか、毎日数字を見て、経営者や管理者がチェックできる体制を取ることで課題や問題点についてもリアルタイムに把握でき、企業が進むべき舵取りをスピーディーに展開できるようになる。

     では、いかにして日々収益を把握すれば良いか。その答えは、月次の管理会計の中にある。月次管理会計で償却費や修繕費・タイヤ代など、運送原価を決算の数字(1年間)から月次単位に割って予算化する。日々の運賃は1日遅れでも、概算でも良いので把握する。そこまでできれば、日々の売り上げから月次で予算化している運送原価をさらに日々単位に割って日々原価を算出できる。

     ★運送売り上げ?運送原価(償却費・修繕費・タイヤ代・保険料・会社管理費)=粗利
     この計算で車両毎の日々収支を算出することができる。

     販売管理費は、月次管理会計で予算化しているため、日々の粗利額の合計が月次の販管費をクリアできるペースであるのか、ないのかを日々単位で把握できるようになる。日々単位で把握できるようになれば、例えば、『粗利率をもっと高めないといけない。自車収益率が悪いのでもっと積み合わせ配車などして経費そのままで売り上げを高めることができないだろうか? 粗利額を高めたい』『休車車両が多いな。休車中でも経費負担が発生しているので、売り上げベースで最低¥○○でも挙げられる仕事でも良いので稼働させたほうが良いな』といったような?気付き?が生まれてくる。

     気付きは経営改善のチャンスにつながる。経営上の気付きが毎日生みだせるかどうかで、経営改善のスピードは飛躍的に変わってくる。月次管理会計だけであれば、気付きを生み出すまでに最低でも1か月かかる。日々単位で管理できるようになれば、日々気付きが生まれる。年間にすると、月次であれば12回のチャンスがあるのに対して日々単位にすると300回のチャンスが発生することになる。こうしたチャンスを生み出す経営環境を整えることが経営者の役割なのである。
      

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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