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  • ブログ・川﨑 依邦

    経営再生物語(90)経営活性化シリーズ39

    2015年2月20日

     
     
     

     (39)配車体制の強化(その1)



     運送業にとって、お金を生み出している瞬間(売り上げを生み出す瞬間)は、配車業務である。配車指示によりドライバーがトラックに荷物を積み、運転して目的地まで安全に配送する。運送業にとって、配車組み・配車指示がまさに売り上げを生み出す瞬間である。この瞬間を疎かにして運送業で利益を確保していくことはありえない。配車業務が運送業の花形と言われるゆえんは、売り上げに一番近い業務を担っているからである。

     経営管理者は、具体的に配車表を見て不効率な運行があれば、その理由を配車責任者に確認して訂正していかねばならない。配車業務の積み重ねが売り上げになり、利益につながっていく以上、その結果だけを見て指導するだけでなく、日々の積み重ねである配車業務をチェック・管理することは経営管理者の責任である。

     なぜ、不効率運行になっているのか、どういう組み合わせが自車効率を高める配車になるのか、日々指導・確認を積み重ねていかねばならない。人に指導するということは難しいかもしれないが、運送業の経営を良くするためには配車管理者の育成が欠かせない。実際に自分自身が配車業務を組むくらいの具体的なイメージを持って配車管理者を育成していくことが必要。状況が許せば、自分自身が配車業務を実施して直接的に指導していくことも必要である。

     山本五十六元帥の言で『やってみせ 言って聞かせて させてみせ ほめてやらねば 人は動かじ』というものがある。言って聞かせるだけなく、実際にやってみせることで、より指導にも迫力が出てくるものだという意味である。そして、この言葉には続きがある。

     『話し合い 耳を傾け 承認し 任せてやらねば 人は育たず』
     
     『やっている 姿を感謝で見守って 信頼せねば 人は実らず』

     つまり、配車管理者の育成は経営管理者が率先垂範して指導し、互いの信頼を高めて任せることのできる右腕の育成にある。運送業で経営管理者の右腕になるには、配車業務なしでは考えることはできない。経営管理者自らが配車業務をチェックして日々の指導を積み重ねていくことを大切にすることである。

     配車担当者を、どのようにして育成していくか。単にドライバーと車を組み合わせるだけではない。経営配車をできるようにする。経営配車とは車両別収支を常に意識して、いかにして黒字にしていくか、日々工夫していく配車のことである。運送業の経営の核心は配車担当者にある。配車体制の強化は、運送業の生き残りのため必ず成さねばならない。

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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