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  • ブログ・川﨑 依邦

    経営再生物語(112)経営活性化シリーズ61

    2016年6月3日

     
     
     

     (61)「危機は良き友。時間がライバル」=スピード経営の実践 



     「危機は良き友。時間がライバル」との言葉は、IBMを劇的に経営改革した名経営者ルイス・ガースナーの名言である。危機こそ企業と人と成長させていく=ピンチはチャンスである。時間との闘いに勝つこと=スピード経営の実践である。

     日常業務の中ではそのつど、大なり小なりの判断を求められる。重大な経営判断事案については即決できない場面もある。中小運送業の経営の強みは、スピードと実践力である。決定事項について即座に実践する習慣が成否を握る。決定した瞬間から実践に移すこと、すなわちスピードの重視である。「…をやろう」と決定してから、行動に移すまでのスピードを意識して実践できるかどうか。数日経ってから改めてスタートしようという感覚ではなく、即実践の意識が大切である。

     じっくり考えて行動に移すことも時には必要だが、実践を通して修正していく能力が組織的に鍛えられれば、スピード経営が一気に加速する。スピード経営に磨きがかかると、成功確率がUPするのである。例えば営業活動一つとっても、ターゲットにする業種やマーケットが定まってから行動に移す時間が長いよりも、短いほうがその反応を早く把握することができ、修正することもできる。

     得意先からの依頼や要望、質問などに即座に反応することで、他社よりも頭一つ抜けることができ、優位に立てるのである。クレームの対応も同様で、その対応が遅い分だけ、その後の対応も大変だが、即座に行動する分だけ早く結論にたどり着くことができる。

     大企業とは異なるフットワークの軽さ=スピードが中小企業の強みである。経営トップがスピードを意識して日々活動することが求められる。自分自身でやると決めたら、明日からやろうではなく、その日から実践することが成長の第一歩である。

     そして、スピードのある実践が出来れば、それを答えが出るまで継続する力を意識することである。「継続は力なり」と言うが、中小運送業の経営ではスピードの次の段階で必要になるのが継続力である。これは、揺るぎない意志、断固やり抜くという決意を組織に浸透させて、全員で共有することが求められる。営業活動に置き換えれば、実践はスピードをもって実施しても、その後が続かないということが多々ある。

     これは、営業こそが唯一の生きる道だという浸透力が弱いために起こることである。気付いた時に何度も何度も組織全体の意識に営業の重要性を浸透させて、トップ自ら率先垂範&継続していく姿勢を示さねばならない。自分が行動で示さないと、実践力と継続力の迫力が示せずに周りが納得しないからである。

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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