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  • ブログ・川﨑 依邦

    経営再生物語(139)チェンジ=変わること 〈事例E〉

    2017年1月13日

     
     
     

     〈チェンジ計画〉



     ?息子の決意
     母親は「やめたい」の一心である。息子は悩む。「父倒れる」との報を聞き、「何とかしよう」と思って入社した。確かに、父親は一言も「継いでくれ」とは言わなかったが、何となく、いつかは継ぐものと思ってきた。後ろ姿の影響かもしれない。息子は決意する。「よしここでがんばってみよう」

     ?労働組合との交渉
     労働組合との交渉をスタートする。内容は、経営合理化への協力要請である。労働組合の委員長に対して経営内容を公開する。確かに経営内容は厳しい。どうするか。息子は赤字部門である運送部門の自社の縮小を提案する。「この際、リストラに協力してくれませんか。車両台数を30%削減するのが目標です」。委員長はスンナリとは応じない。委員長の言い分は次の通りである。
     (1)経営陣の努力の余地はないのか
     これまでの赤字の原因を我々労働者に転嫁してもらっては困る。経営陣の努力の余地はないのか。報酬はどうなっているか。資産の売却はどうか。そもそも営業努力はどうか。
     息子は答える。「役員報酬は30%カットしています。資産売却は、そもそも売却する資産がありません。確かに営業努力はしていません。オヤジの経営方針だからです」
     (2)首切りは労働組合としては容認できない
     「首切りを容認することはできない」。委員長は組合の立場を説明する。
     「このままでは倒産します。一人平均年収800万円の人件費は、運送業の世間相場からいっても高いのです。どうすることもできないのです」。息子は切々と訴える。
     (3)荷主の協力はないのか
     「赤字になっているのは荷主の運賃に問題があるのではないか。もっと荷主と交渉して運賃を上げてもらうことはできないのか」—-。委員長は迫る。
     「無理です。荷主自体の経営もピンチなのです。3年連続して減益です。どうすることもできません」。息子はそう応じる。

     労働組合との交渉は平行線のままである。進むも引くも思うに任せない。息子は脳溢血のオヤジに相談する。オヤジは言語を発しない。体もいうことを効かない。ただ、涙を流すのである。悲しそうにポトリ、ポトリと涙を流すのである。
     「オヤジの人生とは一体、何だったのか。このざまは何だ」。胸がふさがれる思いがする。息子には「倒産」の文字がちらつく。「もはやこれまでか。オヤジが倒れたことを理由に、店じまいするチャンスかもしれない」—-。眠れぬ日々が続く。

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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