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    経営再生物語(201)後継者の育成〈事例A〉

    2018年6月18日

     
     
     

    〈企業永続のポイント〉

     

     後継者づくりは10年仕事とも言われる。1年やそこらの付け焼き刃では、間に合わない。少なくとも、10年単位で考えていかねばならない。

     山づくりとよく似ている。山に植える木は、1年やそこらでは成長しない。どんな山にして、いつ伐採するか。目的意識をもって、後継者づくりをすることである。

     A社長は70歳。しかし、元気である。朝はいつも7時には出社し、神棚に水を捧げ、1日の無事故を祈って手を合わせる。朝礼ではラジオ体操をし、社訓を唱和する。そして1日の注意事項を伝達する。そして、職場巡回をする。とくに5S—「整理」「整頓」「清潔」「清掃」「しつけ」—にはやかましい。口をすっぱくして徹底する。

     職場ごとに、月間スローガンを決めて、乗務員休憩室に大きく張り出し、その掲示板の前で、一人ひとりの乗務員をつかまえて、会話をする。生涯現役の実践である。生きている限りは戦い抜く︱︱ということである。

     筆者は、A社長の姿に心打たれて、40歳の学者の息子に、跡を継ぐように説得した。家業は継続してこそ、本当の家業である。

     「そんなこと言われても、わたしは運送業のことは何にも分かりませんよ」

     固辞である。しかし、話をしている間に、ほぐれてきた。

     「そういえば小さい頃や中学の時、トラックの荷台に乗せられて、親父と一緒に東京まで行ったことがあります。深夜の道を、猛スピードで駆け抜けていったことを思い出します。親父の背中を見て育ったわけですね。一度も、家業を継げとは言われたことはありません。好きな道に進め、と言ってくれました。わたしが国立大学に入学した時も、たいへん喜んでくれました。父親には、心から感謝しています。でも、跡を継ぐということは、諦めてもらいたいですね。リーダーの中から後継者をつくればいいのですよ。そのように親父には伝言して下さい」

     後継者づくりは、経営者にとって仕事の中の仕事である。いわゆる、代行者の育成である。自らの代行者づくりこそ、企業永続のポイントである。

     明日は見えない。今日生きるのに精いっぱい。だからこそ、明日をしっかり見ていくことが今日の活力となる。明日の中に、後継づくりを芯にすえていくことだ。

     バトンタッチが経営人生というものだ。バトンタッチを夢見て、日々を全力で生きるのだ。

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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