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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(239)面接・入社時の確認と教育
2019年4月1日
2.採用面接の留意点
・確保策について︱個人面談シートの活用
採用すると試用期間が通常3か月ある。試用期間中は研修期間でもある。研修方法は座学と添乗指導がある。座学については1日くらいかけて行う。内容としては会社の経営理念、就業規則、給与規定の説明は必須である。経営理念の説明と連動して、仕事の基本の徹底がある。
仕事の基本の例として「正しい姿勢」「挨拶の仕方」「接客用語」「指示・命令を受ける時の心構え」「正しい報告のあり方」がある。配車担当者が講師として実際にやって見せて、新人ドライバーに教え込む。その上で社内マニュアルを説明する。社内マニュアルとしてはトラック点検ルール、交通事故対応ルール、クレーム電話応対マニュアル、配送マニュアルなどがある。社内マニュアル、規定集として小冊子にまとめている会社もある。
座学が終了すると添乗指導である(通常1週間程度)。業務マニュアル(運転日報の記入方法など)や配送マニュアルに基づいて添乗指導する。指導者にはベテランドライバーか配車担当者があたる。こうした試用期間中では、配車担当者と新人ドライバーの個人面談が定着策として有効である。個人面談シートを活用する。個人面談にあたっては、面談者は資料を用意して臨む。資料としては運転日報、燃費効率、給与明細書などである。座り方については真正面で向かい合うのではなく、横や斜めに座る。話しやすい雰囲気をつくるためである。
面談者は一方的に話すのではなく、傾聴に徹する。配車について、どういったことを要望するか。給料計算の仕組みは理解できるか。どうしたら給料が上がるか。健康状態はどうか。借金で苦しんでいないか。人間関係や家庭の悩みはないか…。新人ドライバーの声に耳を傾けるプロセスが研修である。こうしたプロセスで、心と心が触れ合ってくる。配車担当者と新人ドライバーが相互に分かりあえてくる。働くという土俵で共鳴、共振ということが実をあらわしてくる。共鳴とはドライバーの悩み、苦労を分かることで「共にガンバロウ」との思いが配車担当者に響くことである。共振とは共にガンバロウとする喜びが相互に生まれることである。ドライバーの定着は金銭のみに頼るのではなく、個人面談シートの活用によるコミュニケーションの円滑化、充実化によって実現する道がある。この道は王道というか正攻防である。
(つづく)
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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