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  • ブログ・川﨑 依邦

    経営再生物語(260) 5Sへの取り組み

    2019年9月23日

     
     
     

     1.5Sの実践によるドライバー人材育成事例

     

     「我社の現場のモットーは5Sの実践です。5Sの実践の積み重ねによって職場風土は明るくなり、コミュニケーションも格段によくなりましたね」。A物流会社社長の言葉である。A社の5S実践について紹介する。

     【A社の5S実践事例】

     5Sとは整理、整頓、清潔、清掃、しつけのことである。A社長が5Sに取り組むきっかけは荷主の評価にある。A社は、運送と倉庫の仕事をしていてアルバイト、パートを含めると300人、車両台数200台の中堅物流会社である。A社長は創業者である。創業当初はA社長もハンドルを握っていた。仕事の隙間があると荷主のトイレ掃除をおよそ3年間位コツコツ行っていた。そうしたA社長の働く姿勢が荷主トップの目に止まり、「うちの倉庫を運営してみないか」と打診された。信頼されたわけである。「うちの荷物を預けるにたる男」として評価されたわけである。この倉庫運営に挑戦して成功したことが、A社の基礎を作ったわけである。

     5S誓約書シートの活用

     A社長は入社にあたってアルバイト、パートから社員に至るまで5S誓約書シートを活用することとしている。入社時の教育は5Sから始まる。初めは社長自ら講師をしていたが、現在は職場の小集団活動のリーダーが担当している。導入教育の終了にあたって締めくくりとして5S誓約書シートを活用する。導入教育の項目は次の通りである。

     ①挨拶—リーダーが挨拶のお手本を示し、大きな声で挨拶訓練を行う。

     ②服装—正しい服装の着用について解説する。

     ③トイレ掃除—週1回はトイレ掃除当番が回ってくる。トイレ掃除の手順について実践研修をする。

     ④車の掃除—車外、車内の掃除の手順について説明する。

     ⑤運転日報の記入—正しい運転日報の記入の仕方について実例を示す。

     ⑥燃費効率の把握—燃費は自ら集計して把握する。

     ⑦職場ミーティングへの参加—職場ミーティングの目的について説明する。

     ⑧生活改善—貯金をしているかチェックする。

     ⑨健康管理—体調管理に心掛けているかチェックする。

     ⑩タイヤ管理—タイヤ管理をしているかチェックする。

     5S誓約書シートは「はい」と回答することで一人ひとりの決意を確認する。社長の前で本人が大きな声で項目ごとに読んでいく。項目は誰にでもできそうなものばかりである。しかし、日々実践するとなると、なかなか大変である。実践状況のチェックは5S個人面談としてリーダーと本人が3か月ごとに行っている。5S実践状況を評価して優秀な者については5S表彰手当として、最優秀5万円、優秀3万円、良好1万円として支給している。いわば年4回の特別ボーナスである。       以上

     
     
     
     

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  • 筆者紹介

    川﨑 依邦

    経営コンサルタント
    早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
    63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
    中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
    グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。

    株式会社シーエムオー
    http://www.cmo-co.com

     
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