１．不平不満は心のつながりの欠如にあり

　⑵Ａ社のドライバー人材育成への取り組み

①個人面談シートの活用

　上司（所長、配車担当者）とドライバーで個人面談を実施することとする。個人面談シートはセールスドライバーとして、自分の仕事内容を、どのようにとらえているか。第一線ドライバーとして、どのように売り上げに貢献しているか。じっくりと心を開いて確認する。その上で、現在の担当職務状況についてヒアリングする。仕事の質、量、意欲などである。問題点が浮かび上がってくる。中には住所不定のドライバーがいることも判明する。住む所もなく車の中で寝たり、インターネットカフェで一夜を過ごす者もいる。あるいは、サラ金苦で離婚しているドライバーもいる。省みて、いかにドライバーのことを把握していなかったか。営業所長や配車担当者は反省する。

　給料の不満の背景にあるのは、心のつながりがないということに気付かされる。心のつながりとは、信頼感、一人ひとりのドライバーのことをよく知っている、働くことそのものの中に喜びを見出していくようにすることの中で、育まれていく。　　　　　　　（つづく）