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ブログ・名南コンサルティングネットワーク
第15回:事業引き継ぎの上手な行い方 その1
2014年1月27日
「当社は恥ずかしながらドライバーの質が低くて・・・」。運送業の経営者と話をしていると、こうした話を耳にすることが少なくありません。実際、ドライバーを採用したものの、他のドライバーらとトラブルを起こし、解雇せざるを得ないケースは少なくなく、そうした経営者の発言はわからないでもありません。
しかし、こうした問題が生じる場合の多くは、労務管理がずさんであり、日ごろから注意や指導を十分に行っていない事業所に集中しているように感じます。例えば、服務規律のルールを定めていなかったり、徹底していない事業所はその典型であり、それぞれが好き放題の言動を繰り返すため職場の統一的な規律すら確保できません。結果として、他の企業で採用してくれない、何らかの問題を抱える人材しか流れてこないといっても過言ではなく、いつまで経っても状況は好転しません。
この場合、問題行動などに対して本人に注意をすれば、人材確保難が続いているのにドライバーが退職してしまい、業務が回らなくなってしまうではないか、という反論が聞こえるかもしれません。しかし一方で、注意をしない環境に嫌気がさして、優秀なドライバーが退職してしまうということも考えられます。
規律がしっかり守られている経営をしていれば、問題を抱えるドライバーとしては仕事がしづらいと感じるはずですので、やがては脱落して退職することとなり、結果的には良質な人材のみが残る可能性が高くなります。
以上から考えると、職場の様々なルールを明確化し、特に職場の規律の柱となる服務規律については具体的に定め、社員に浸透させる必要があります。問題行動を起こすようなことがあれば、怯むことなく注意や指導を徹底することが重要です。
そして、こうした運用を重ねるうちに風土というものが出来上がり、多少の時間は要するものの、良質な人材のみが残る環境が出来上がるのです。
(荻野恭宏・名南コンサルティングネットワーク http://www.meinan.net/)この記事へのコメント
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筆者紹介
名南コンサルティングネットワーク
東海地区トップクラスの経営コンサルタント集団。税理士、司法書士、社会保険労務士、行政書士、不動産鑑定士、中小企業診断士など様々な資格を活かし、経営コンサルティングだけでなく労務管理、税務会計、各種登記・許認可申請、資産運用助言、ISO認証取得支援、マネジメントシステム構築支援など中小・中堅企業の経営をトータルにサポート。「運送業支援チーム」を結成し、業界特有のトラブル対応やトラブルの未然防止策などの経営支援に力を入れている。
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