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ブログ・名南コンサルティングネットワーク
第18回:コンプライアンスの基本は身の丈にあった体制づくり
2014年3月3日
株式会社を設立する際に、必ず作成しなければならない「定款」というものがあります。この定款とは、会社の目的、組織及びその業務執行に関する内部の規定で、「会社の憲法」などと呼ばれており、会社の根本規則です。この定款には、「目的」「商号」「本店の所在地」などといった、必ず定めなくてはならない事項(絶対的記載事項)のほかに、会社法に違反しない限りで様々な事項(相対的記載事項・任意的記載事項)を定めることもできます。
具体的には、「株主総会などの決議における議決権の加重」「定足数の緩和」「会社役員の任期の伸長・短縮」などといった、様々な事項をその会社ごとに規定できるのです。この定款の内容を、それぞれの会社の身の丈に合わせた内容にすることで、無理のない理想的な経営をすることができます。
定款は、株主または会社債権者にとっては重要なものですから、それぞれの会社の本店、支店に備え置かれます。そして、株主と会社債権者は営業時間内であれば、いつでも定款の閲覧または謄写を求めることができます。また、会社の親会社の株主なども、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、定款の閲覧または謄写を求めることができます。このように、株主または会社債権者であれば定款を閲覧することができますので、会社との取引についての判断材料の一つになることもあります。そのためにも、身の丈に合った適正な定款の規定は重要です。
また、設立時の定款の内容を事後的に変更することができます。定款の変更は、原則として、株主総会で議決権を行使することのできる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、その3分の2以上の多数決で決します。このような手続きを経ることによって、定款の内容を見直すことができます。
定款というのは会社にとって、とても重要な規定です。この定款の内容を会社ごとの身の丈に合わせ、アレンジを加えることで強い会社になるためのコンプライアンス経営の足掛かりにしていただきたいです。定款の内容次第では、これから運送会社の設立をお考えの方々はスタートダッシュを切ることでき、既存の運送会社の経営者の方々とってはコンプライアンス体制が整っていることを取引先や関係者へアピールすることができるのではないでしょうか。
(岩本直也・名南コンサルティングネットワーク http://www.meinan.net/)この記事へのコメント
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筆者紹介
名南コンサルティングネットワーク
東海地区トップクラスの経営コンサルタント集団。税理士、司法書士、社会保険労務士、行政書士、不動産鑑定士、中小企業診断士など様々な資格を活かし、経営コンサルティングだけでなく労務管理、税務会計、各種登記・許認可申請、資産運用助言、ISO認証取得支援、マネジメントシステム構築支援など中小・中堅企業の経営をトータルにサポート。「運送業支援チーム」を結成し、業界特有のトラブル対応やトラブルの未然防止策などの経営支援に力を入れている。
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