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ブログ・野口 誠一
第143回:警備会社を立ち上げる
2007年9月30日
3年後、警備事業のノウハウを蓄積し、100万円ばかりを貯めたところで、Nさんは東京都の警備員指導教育責任者の資格を取得し、50万円の資本金をもって警備保障会社を立ち上げた。Nさんの再起がなった瞬間である。
以後、Nさんは毎年のように業績を伸ばし、人員を増やし、いまや資本金1500万円、人員75人という充実ぶりである。経営もいたって順調で、無借金はもちろんのこと、利益のなかから自分のふるさと(京都)や奥さんのふるさと(滋賀)への寄付も怠っていない。
「せめてもの罪ほろぼしですよ」とNさんは照れるが、なかなかできることではない。
3年後、警備事業のノウハウを蓄積し、100万円ばかりを貯めたところで、Nさんは東京都の警備員指導教育責任者の資格を取得し、50万円の資本金をもって警備保障会社を立ち上げた。Nさんの再起がなった瞬間である。
以後、Nさんは毎年のように業績を伸ばし、人員を増やし、いまや資本金1500万円、人員75人という充実ぶりである。経営もいたって順調で、無借金はもちろんこと、利益のなかから自分のふるさと(京都)や奥さんのふるさと(滋賀)への寄付も怠っていない。
「せめてもの罪ほろぼしですよ」とNさんは照れるが、なかなかできることではない。
かつて絶縁状を突きつけた長男も、いまはNさんの会社で働いているし、奥さんと復縁したことは言うまでもない。夜逃げしたばっかりにずいぶん遠まわりしたが、Nさんは目下、「家族とともにある」幸せを噛みしめている。
以下はNさんの体験発表の一節である。
「この不況下でも、私の会社はこの3年間で売り上げを3倍に伸ばしました。しかし、私の交際費はゼロです。かつて借金に苦しみ、それなのに見栄で交際費を遣っていたことが倒産を早めたからです。警備の業界も、ゴルフや夜の接待で仕事を取るのが通例ですが、私は交際費がありませんから、そういうことは一切していません。そのかわり毎朝4時に起き、ゼネコンの社長や担当者に葉書を書きます。月に200、300通は書きます。そこにはかつて自分が事業に失敗したこと、そして今は、その反省のうえに立って経営していることを正直に書きます。それが私の営業であり、トップ・セールスです。交際費ゼロでも営業はできます。会社の姿勢と経営理念を伝えることはできます。わが社の社是は『三者の幸せ』です。三者とは会社、社員、顧客の三者です」
2007年09月30日 -
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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