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  • ブログ・野口 誠一

    第149回:技術系社長の落ちた穴

    2007年12月21日

     
     
     

     Eさんの創業は昭和58年である。それまでの20年間は、大手通信機器メーカーの技術畑で、それも第一線で活躍し、最後の数年間は新製品開発プロジェクトのリーダーとして、会社の命運を担ってきた。
     しかし、市場をやや先取りした形でスタートしたためか、売り上げが思うように伸びず、赤字が3年も続いた。
     さすがに会社もたまりかねたか、部門解消を余儀なくされてしまった。
     このときの無念が、Eさんの会社を辞める決心と独立を促した。すでに42歳になっていたが、数あるヘッドハンティングを振り切って、敢然と独立を目指した。
     20年間、技術の最先端を走ってきたという自負と自信があったからである。


     さっそくEさんは東京・板橋区に電子機器の開発・製造会社を立ち上げた。といってもたった1人の創業である。
     しかし、間もなくEさんの技術力が大型受注を呼び寄せた。マイクロ・プロセッサを使ったペン描画処理の製品開発である。Eさんのもっとも得意な分野である。
     この成功をきっかけに受注が相次ぐようになり、到底1人では手がまわらず、Eさんは大々的に社員募集をかけた。が、当時は人手不足、とくに技術系は極端に人手不足でどうにもならない。
     Eさんはチラシ、職安、人材銀行と駆けずりまわり、1人、また1人と社員を増やしていった。が、それでも人員が受注に追いつかぬほど、Eさんの経営は順風満帆そのものだった。
     やがてEさんはOEM(相手先ブランド)製品のほかに独自開発の製品も世に問い、それが好評を博していく。
     その1つ、防犯・防災システムは日経産業新聞にも取り上げられ、大きく売り上げに寄与、絶好調経営が続く。が、それでも倒産を免れなかったのだから経営は難しい。

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    野口 誠一

    八起会 会長
    株式会社ノグチプランニング 代表取締役

    昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
    昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
    しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
    翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
    弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
    再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
    昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
    平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。

    電話番号:03-3835-9510(倒産110番)
    HP:http://yaoki.html.xdomain.jp/

     
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