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  • ブログ・野口 誠一

    第262回:鳴りやまない相談電話

    2010年4月2日

     
     
     

     発足当初の八起会は単なる「倒産者のつどい」にすぎなかった。
     やがて会員が増え、組織立つにつれ、「倒産防止の会」「自殺防止の会」「再起の会」と、活動の範囲がどんどん広がっていった。が、ボランティア組織ゆえ常に資金不足につきまとわれ、当初の念願だった「倒産駆込寺」「倒産110番」の常設には、なかなか手が届かなかった。
     そんななかで昭和58年、八起会は5周年を迎えた。私はその5周年を、どうしても「倒産110番」のイベントで飾りたかった。
     世の倒産者および、その予備軍に八起会の存在を知ってもらい、「1人で悩むことはありません。八起会が相談に乗ります」というメッセージを発したかったのだ。
     しかし、資金はない。そこで、6畳2間のわが家ならぬ、わがアパートの1室に電話を2本入れ、顧問の弁護士と公認会計士、有志数人で「倒産110番」を決行した。
     そのときもマスコミがバックアップしてくれた。新聞は「8月20、21の2日間、朝9時から夕方5時まで相談受付」と報じてくれた。
     ところが、いざフタを開けるや、早朝の4時、5時から深夜の1時、2時まで電話が鳴りやまない。私は「1件、30分以内で片付けるように」と指示せざるを得なかった。結局、2日間で250本の相談が殺到し、私たちはくたびれ果ててしまった。
     イベントは大盛況のうちに終わったが、私はその反響の大きさに複雑な思いを禁じ得なかった。いかに多くの倒産者、およびその予備軍が悩み苦しんでいるか、その現実をイヤというほど思い知らされたからである。
     それらの人たちをたったの2日で救うことなぞ、到底不可能である。私は「倒産110番」の常設を願わずにいられなかった。が、資金がなくてはどうにもならない。悔しい日々が続く。

     
     
     
     
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  • 筆者紹介

    野口 誠一

    八起会 会長
    株式会社ノグチプランニング 代表取締役

    昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
    昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
    しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
    翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
    弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
    再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
    昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
    平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。

    電話番号:03-3835-9510(倒産110番)
    HP:http://yaoki.html.xdomain.jp/

     
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