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ブログ・野口 誠一
第395回:禍を転じて福と為す
2013年1月14日
(Aさんは半世紀にわたる経営をユニークな言葉で締めくくった。以下、Aさんの体験発表のつづきである)
人間は生まれたときから死ぬことが決まっています。つまり、死に向かって生きることが人生です。経営も同じで、創業したときから倒産に向かって歩んでいるようなものです。少なくとも、そういう危機感を持たないと、たちまち倒産に追い込まれてしまいます。人生に浮き沈みがあるように、経営も浮き沈みの連続です。私も何度か倒産寸前まで沈みかけ、そのたびに多くの人に助けられ、禍いを転じて福と成してきたように思います。
私は現在73歳です。拙い経営だったかもしれませんが、足かけ半世紀継続しました。その経営を引き継ぐ日も近づきつつありますが、しばらくは現役を続けようと思っています。私は毎朝4時に起床。それから往復6.4kmの道のりを、1時間15分をかけて歩いています。帰ってすぐに風呂へ入り、朝食をすませ、6時すぎには出社し、工場内のトイレをはじめ事務所のトイレを掃除しています。もう10年以上も続けています。経営以前の心構えのようなものです。最後に私の座右の銘というか、戒めの言葉を聞いて下さい。
一、努力は人を裏切らない。
二、継続は力なり。
三、チャンスにためらえば多くを失う。
四、人生は悔しさの大きさで計る。
五、与うるは、受くるより幸いなり。
六、若さは年齢ではなく心である。
以上です。ご清聴ありがとうございました。
(こうしてAさんは体験発表を終えた。努力は人を裏切らないとは、まさにAさんの経営そのものである)この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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