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ブログ・野口 誠一
第400回:捨てる神あれば拾う神あり
2013年2月18日
(たった一枚の競売通知がAさんの人生を狂わせた。このままでは婿養子の立場も、後見人の立場もまっとうできない。死んで詫びるしかないと思い詰めたところで、Aさんは知人に八起会を紹介された。以下、体験発表のつづきである)
私はすぐさま八起会へ駆け込みました。会長には「自殺なんてとんでもない。身勝手な逃避であり、残される家族への裏切りだ」と叱られました。そのうえで以下の3点をアドバイスされました。
一、整理回収機構のバックは国家権力だから逆らえないこと。
二、担保物件は1日も早く知り合いの誰かに買ってもらい、任意売却とすべきこと。
三、工場も処分して有利子負債を減らすこと。
3点の指摘とともに弁護士を紹介していただきましたが、私は会長のアドバイス通りに動きました。と、不思議なことに、捨てる神あれば拾う神ありで、「5年以内に買い戻す」との条件で担保物件に買い手が付きました。その不動産買付証明書を持って弁護士が整理回収機構と交渉に当たり、ついに競売は取り下げられ、義弟一家の生活破綻は免れることができました。
それと同時に、300坪の工場地にも買い手が付き、私はその売却資金を借金の返済に当て、有利子負債を大幅に減らすことができました。おかげで多少のダウンサイジングは余儀なくされましたが、経営は今も続いています。すべて八起会のおかげです。今日は会長に「整理回収機構絡みの案件は少ないので」と依頼され、お話をさせていただきました。ご清聴ありがとうございました。
(Aさんはこうしてスピーチを終えたが、紙切れ1枚で知らぬ間に会社がふっとぶとは、恐ろしい時代である)この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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