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    ドラレコでプライバシー侵害?労使トラブルへ

    2016年3月10日

     
     
     

     事故の際、会社やドライバーを守ることにもつながると、導入する会社が増えているドライブレコーダー。クリアな画質や音声、さらには運転席の状況を映す車載カメラなど、事故時の状況を詳細に分析できるよう進化を続けている。事故対応のツールとして導入している事業者も多い中、運転席の音声や映像まで記録されることで、「ドライバーのプライバシーを侵害しているのではないか」として、労使間でトラブルに発展するケースも出ている。
     先日、ドラレコを導入したという埼玉県の事業者。「車載器を取り付ける段階で初めて、運転席の音声まで録音されることがわかった」と話すのは、現場を統括する専務。ドライバーだけでなく同専務にとっても寝耳に水の話で、「社長だけが承知していた」という音声の録音機能に、現場からは不信感を訴える声が挙がったという。「仕事中とはいえ、聞かれたくない話をするかもしれない。事前の説明もなく導入すること自体、信頼関係を損なうことになる」と同専務は指摘する。結局、音声録音機能を切り、映像のみの録画に切り替えることで労使双方が納得し、ドラレコの導入を進めた。


     従来からドラレコを導入している事業者には、「事故があったときに映像を確認する」として、「そういえば音も入っていた」「ドラレコに音声録音機能があることを取り立ててドライバーに説明していない」という声も聞かれる。また、「事故対応をする上で映像や音声を記録することは当たり前」として、ドライバーに説明なくドラレコの音声録音をしている事業者も少なくない。一方で、「ドライバーのプライバシーに配慮して事前に説明をしている」という声もあれば、説明だけではなく、社内ルールを決め、ドライバーの理解を得ている事業者もある。
     ルールを明確にしている埼玉県の事業者は、「音声の取り扱いについては会社を信頼してもらうしかない」とした上で、「設置の趣旨と音まで入ることを周知し、2週間に1回のデータチェックの際、管理者は消音にして見ること、事故時の画像は音声を含めて検証することと決め、ドライバーにも説明している」という。
     ドラレコの音声録音は、経営者の考え方に大きく左右されるようだが、運転席の音声や画像の取得に関し、プライバシーの侵害など、法的な問題はないのか。
     常盤法律事務所(神奈川県)の常盤重雄弁護士は、ドラレコでの音声録音ついて、「事故の実態解明などのために運転時の状況を把握する業務上の必要性から行われるもの」との前提に立ち、「周知の有無に関らず、その利用が業務に関連する範囲に留まる限り、原則としてプライバシー侵害の問題は生じない」との見解を示す。しかし、一方で、ドラレコに録音された音声情報の中に、たまたま私生活上の事実が含まれていた際、「業務や事故の原因解明と無関係の場面で、これをみだりに公開したり利用した場合、プライバシー侵害の問題は生じうる」と指摘している。
     導入の趣旨が明らかで情報利用に問題がなければ、法的にも事前にドライバーに説明する必要はないという。とはいえ、管理される側のドライバーには「ドラレコに監視されている」と捉えられかねないツールであることも事実で、日頃の信頼関係が試される。
     意図せずしてドライバーの個人的な情報を取得してしまう可能性もあるだけに、取得した音声や画像の取り扱いに対しては、細心の注意が必要だ。

     
     
     
     
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