日本経済のインフレ懸念が強まるなか、株や国債、不動産投資などに投資をして、資産を増やしていこうという人が増えています。日本経済はデフレスパイラルから抜け出し、物価も上昇軌道に入りましたが、それでも銀行の預金金利は相変わらずの低空飛行です。

しかし、だからといって、一か八かで思い切った投資をしたいと考える人は少ないでしょう。多くの人は「デイトレやＦＸに手を染めるのは怖い」と考えるでしょう。

「毎日、相場を気に掛けるほど、投資に没頭はしたくないが、軽い気分で、できればほったらかしのままで資産を増やしていきたい」といった、ある意味、都合のよい資産運用を考えるはずです。

仕事や育児に追われる多くの人たちにとって、投資を生活の中心に据えるのは難しいことでしょうから、「なんとか、資産を手間をかけずに増やしたい」と考えるのはきわめて普通のことなのです。

そしてそうした軽い投資で片手間でちょっと儲けてみたいという人に打ってつけなのがJ-REIT（日本版不動産投資信託）です。

REIT（リート）とは、不動産投資信託のことで、Real Estate Investment Trustの略称です。J-REITはその日本版で、投資家は不動産を投資対象とした投資証券を購入することで出資することができます。１０万円程度の少額から投資も可能で運用や管理に携わることなく、現物不動産投資に比べて気軽に出資することができます。

ただし、それでも「地価高騰や下落などの変化が激しい不動産市場で確実に儲けられるかわからない」と投資に足踏みする人も少なくないと思います。

そこで拙著『J-REITは「物流」で儲けなさい』（鈴木邦成著、玄文社）では、J-REIT投資の入り口として、安定性が高い物流特化型リートについて、昨今の物流施設建設ブームなどの背景、バックグラウンドや有望銘柄などについて、くわしく解説していきます。