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  • ブログ・鈴木 邦成

    倉庫の進化

    2008年8月16日

     
     
     

    「保管」という動物の習性
     自宅でハムスターを飼っていますが子どもが生まれて結構な数に増えてしまいました。
     ちなみにハムスターというのは「保管する人」という意味になるそうです。餌を巣のなかなどに貯めておく習性があるからです。実際、食べ物を貯え、それを食べるのを忘れてしまうこともよくあります。
     物流の5大機能とは輸送、保管、荷役、流通加工、包装です。なかでも輸送と並んで保管は物流の5大機能の中核的機能となっています。
     
     ハムスターとは異なりますが、人間も保管活動を生活のなかにうまく取り入れながら文明社会を構築していきました。保管をし、倉庫を造ることで災害に備えたり、緊急の際の食糧を確保したりしてきたわけです。さらには食糧だけではなく、衣服も武器も、保管するようになりました。食糧を保管することで飢餓などのリスクを回避することもできるわけです。
    「モノの家」
     「倉庫」という言葉は英語ではwarehouse(ウエアハウス)です。このwarehouseという言葉をもう少しよくみると、ware(モノ)とhouse(家)に分解できることがわかります。つまり「モノの家」というのがウエアハウスの原意なのです。
    流通型倉庫の発達
     しかし現代物流を考えると、ウエアハウス(倉庫)の機能は保管だけではありません。ご存知のように現代物流の倉庫には保管型倉庫だけではなく、流通型倉庫もあります。
     流通型倉庫の物品は長く庫内に留まってはいません。つまり倉庫はたんに物品を保管する場所ではなく、流通加工を行ったり、荷合わせを行ったりする「ロジスティクスの司令塔」の役割を担っているのです。当然のことながら現代物流のウエアハウスはもはや「たんなる保管場所」とはいえないわけです。
    「モノとヒトと情報の家」
     つまり、倉庫は「モノの家」から「モノとヒトと情報の家」へと進化しているのです。かつては保管の機能が大きかったのですが、現代物流のウエアハウスのなかでは流通加工や荷役の機能もウエアハウスオペレーションにおいて重要な意味を持つようになったのです。
     現代物流では「モノだけの家」ではなく、ヒトも情報もウエアハウスのなかに組み込まれているのです。倉庫は「モノとヒトと情報の家」となったのです。

     
     
     
     

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  • 筆者紹介

    鈴木 邦成

    物流エコノミスト・日本大学教授
    国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
    欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
    国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

     
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