皆さん、日本事故防止推進機構（ＪＡＰＰＡ）理事長の上西一美です。先日、知り合いの運送会社さんで死亡事故が発生したとのご相談がありました。

その概要は、深夜に幹線道路を走行中、道路で寝ていた歩行者と接触した事故でした。この仕事を始めて16年になりますが、このような歩行者の寝込みによる死亡事故はドライブレコーダーの映像で13件、うち死亡事故は11件ありました。
また、このような歩行者の寝込みによる死亡事故は毎年、年間１００件程度、発生しているそうです。このような事故は、「歩行者が道路に寝る」という重大な道路交通違反があるにも関わらず、私が見た事故では、その大半が罰金という刑事罰を運転者が受けていました。

もちろん、中には刑事罰を受けていない事故もあります。では、この差はどこで出るのでしょうか？　それはずばり「運転者側に道路交通法違反があるか？　ないか？」です。

以前にもこのコラムで触れましたが、夜間の運行の場合の重大な道路交通法は２つです。１つは「速度超過しない」こと。２つ目は「できる限りハイビーム走行する」ことです。いくら歩行者に違反があったとしても、車両側に道路交通法違反があれば、無罪を主張できません。管理者の方は、ぜひ、点呼などで夜間の速度超過とハイビーム走行の徹底を促して下さい。