皆さんこんにちは、日本事故防止推進機構（ＪＡＰＰＡ）理事長の上西一美です。「交事通故防止策として、ヒューマンエラーをいかに無くすか？」という議論がよくされます。しかし、無くすことはできるのでしょうか？

答えはＮｏです。ゼロに近づけることは可能ですが、ゼロにすることなど不可能です。理由は、今、この原稿を見ているあなた、２行目の『交事通故防止策』という言葉に何か違和感を感じませんか？これが答えです。

実は、はじめから交通事故の〝通〟と〝事〟という文字を入れ替えていました。このように、人間は簡単に「思い込み」という見落としをします。運転中に、ほんの一瞬で、確実に確認することなど不可能なのです。

では、交通事故は無くせないのか？それもＮｏです。ヒューマンエラーをしても交通事故は防止できます。

例えば、運転中に事故現場を通過する時、大半の運転者はつい見てしまいます。この「わき見」は、なかなか無くせません。であれば、つい見てしまっても、追突しないように、余分に車間距離を確保すれば良いのです。要は、「わき見」というヒューマンエラーをしても事故にならなければ良いのです。

交通事故防止の為には、限りなくヒューマンエラーを無くす努力をし続けることは大切ですが、それ以上に大切なのは、「ヒューマンエラーを起こしても事故にならない運転習慣を持つこと」です。ぜひ事故防止対策を考える時、このような考えを意識して下さい。もし、方法が分からなければ、気軽にお問い合せ下さい。