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ブログ・上西 一美
第153回:高齢者研修 高まる外注需要
2025年12月10日New!!
日本事故防止推進機構(JAPPA)の上西です。近年、当社には高齢運転者対策に関するご相談が急増しています。国交省では65歳以上を高齢運転者と定義し、一定の年齢に達したドライバーには適齢診断の受診が義務付けられています。さらに事業者には社内研修の実施が求められ、どのように研修を行うかが課題となっています。その結果、「社内での高齢者研修を外部に委託したい」という相談が企業から多く寄せられるようになりました。
高齢者研修を実施する際に重要なのは、まず加齢による身体能力や視力の衰えを理解し、自覚することです。自分では若い頃と変わらないつもりでも、反射速度の低下や視野の狭まりは避けられません。それを前提に、「速度を控える」「車間距離を十分に取る」といった運転行動に結び付けることが欠かせません。また、高齢者は豊富な運転経験があるがゆえに「自分は大丈夫」という思い込みが強くなる傾向があり、これが新たなリスクを生む要因となります。
そこで有効なのが、ドライブレコーダー映像を活用した研修です。実際の事故映像を疑似体験することで、「もし、自分だったら」と考えさせ、思い込みを修正するきっかけを作ります。映像から学ぶことで危険を自分ごととして受け止め、行動変容につなげることができるのです。
今後、私たちも高齢運転者向けの専用研修サービスをリリースする予定です。人材不足が進む中で、高齢者が担う役割は今後さらに大きくなります。だからこそ、企業としても高齢運転者への教育を怠らず、安全を守る仕組みを整えることが重要です。高齢者の経験を活かしつつ事故を防ぐ――。その両立を目指し、企業とともに取り組んでいきたいと考えています。
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筆者紹介
上西 一美
一般社団法人日本事故防止推進機構理事長、株式会社ディ・クリエイト代表
自動車事故防止コンサルタントとして豊富な実績。
一般社団法人日本事故防止推進機構
http://www.jappa.or.jp/
株式会社ディ・クリエイト
http://www.de-create.com/ -
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