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    キッコーマン・横山物流部長「物流改善プロジェクトを展開」

    2009年1月28日

     
     
     

     設立から91年間の歴史を刻むキッコーマン(染谷光男社長、千葉県野田市)は、しょうゆや各種つゆ製品のほか、マンジョウ、デルモンテ、マンズワインのブランドなども扱う。
     1957年、米サンフランシスコの販売会社設立を皮切りに海外進出し、米国の家庭用市場での販売シェアは60%を誇る。製造・販売は現地方式で、4000億円を超える同社連結売上高の約30%、連結営業利益は約55%が海外業績という。日本国内でも、しょうゆの販売シェアは約30%を占めている。


     同社が物流に注力し始めたのは15年以上前で、バブル期に売上高は躍進したが、景気のあおりと物流人員の不足で物流費(運賃)も2ケタ台に迫る値上げ状態だったという。「社長をプロジェクトリーダーとする物流改革プロジェクトを93年に立ち上げ、各関係部署からも参加する、全社挙げての物流改革を開始した」と説明するのは、同社の理事で物流部長・ロジスティクス経営士の横山恒氏。
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    横山部長
     「プロジェクトは3年1スパンで、毎回課題とする重点ポイントを実施。プロジェクトリーダーの社長には年2回、進捗状況を報告し、方向性の確認や指示を受けてきた」という。初回の93─95年は、経費を掛けずに無駄の徹底排除、受注規律の整備と配送ロットの効率化、受注センターや倉庫の数・用途整理などで約9億円のコスト効果を出した。
     96─98年は結果に見合う投資方針を打ち出し、野田市のメーン倉庫にマテハン機器を導入して自動倉庫化。同時にオンライン化とFAX─OCR化を進めて受注センターを2か所に集約、約4億円の効果を残した。99─01年からはSCMを導入し、「KOLS(キッコーマン・オーダー・レス・システム)」を自社内で開発。さらに自動倉庫を活用し、工場直送型物流システムで倉庫をTC(トランスファーセンター)化、各TCには共同配送化の提案などで8億円の効果をもたらした。
     02─04年は「KOLS」の性能をアップし、静脈物流への活用や在庫調整・管理の強化で在庫の大幅削減に成功。取り扱い3500アイテム中、「KOLS」で2000アイテムを管理し、生産計画も工場に移行するとともに、27あった倉庫を五倉庫に集約するなどで約22億円のコスト効果を計上。
     そして05─07年には、野田市を中心とした物流を手掛けてきた子会社の総武物流を、全国を網羅する物流中核会社とした。同時に、野田市と大阪市の東西2拠点受注センターも同社に業務移管。「物流現場で受注も行うことで、配送サービスレベルが一段とアップした」と横山部長は語る。製造物流と調達物流を併せた取り組みにも着手し、CO2の削減にも貢献。FAX─OCRの改善でペーパーレスシステムも導入し、コスト効果を10億円とした。
     現在の第6次「SCM10」は、WMS導入でグループ企業の物流改革が課題。横山部長は「物流量の3割は鉄道と海運にモーダルシフト化している。05年に導入した31フィートコンテナやパレットのエターナルシステムなどの活用には、他社との情報交換や研究会を通じての工夫が必要だが、今後も物流改革に取り組む」としている。(小澤裕)

     
     
     
     
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