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    日本ガス協会に聞く CNG車の優位性とは

    2009年2月4日

     
     
     

     低公害車の一番手として活躍する天然ガス自動車(CNG車)。昨年12月末で3万6000台を超え、その約半分を事業用トラックが占めている。
     CNG車はディーゼル車に比べ環境だけでなく、コスト面でも優位に立っていたが、原油価格が下落した今、燃料コストとしての魅力は薄れてきた。今年に入っても、CNGは値上がり傾向にある。ユーザーからは、「原油市場と連動するなら、下がるのが本筋ではないのか」との声も聞かれる。今後、CNG車の普及はどう展開されるのか。日本ガス協会天然ガス自動車部の杉本秀夫部長を取材した。


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    取材に応じる杉本部長
    ―CNG車の昨年の動向について。
    「昨年4月から12月末までに2151台の導入があった。これは前年同期比、13.4%の伸びを示した。原油価格高騰や環境に対する社会的関心の高まりを考えると、もう少し普及を進めたいとの思いがある」
    ―補助金の影響もあったのでは?
    「7月に予算を使い切ったため、それ以降、CNG車導入時の補助が受けられなくなった。11月には補正予算で補助事業が再開されたが、3か月以上間が空いたことは事実で影響はあったと思う」
    ―燃料価格の動向については?
    「都市ガス・CNGの原料となるLNGも基本的には原油価格にゆるやかに連動しているが、長期契約という点から原油のような乱高下はなく、比較的安定している。そのため、昨年当初は価格において優位性があったが、原油が大幅に下落して優位性も薄れている」
    ―原油が下落している今も、CNGは値上がりしているが。
    「価格設定の制度によるもの。都市ガス・CNGは四半期ごとの輸入原料価格の変動を2四半期後に価格に反映する仕組みで、最大6か月遅れた価格設定になる。このため現在、原油価格が高騰していた時期の原料価格を基準としており、CNGが値上がりする事態になっている」
    ―ユーザーが納得できないのでは?
    「値上がりへの批判は少なくない。経産省は現在、価格設定制度の見直しを進め、具体的な改定案が出ている。同案が導入されれば、原料価格の変動を今よりも早く反映できるようになる」
    ―新制度導入の可能性と、そうなった場合の価格の動向は?
    「まずは、LNGを原料として使う大手都市ガス会社を中心に5月には新制度の適用が始まる。そうなると5月から、原料価格をCNG価格に反映できることになる。経産省は、標準的な家庭の5月のガス料金は1割近く下がると試算している。5月以降CNGも下がると期待している」
    ―普及にはスタンドの問題もあるが。
    「うまくバランスを取りながら、より多くのCNG車をお使いいただけるようなところにスタンド設置を進めていく必要がある」
    ―スタンド普及の取り組みについては?
    「需要量の条件が緩和されたことで、スタンドの設置がしやすくなった。また、現在あるスタンドの設備増設や拡充にも補助金が利用できるようになった。こうした追い風をプラスに、普及を進めていきたい」
    ―具体的には?
    「従来よりも2、3割安く設置可能なコンパクトにパッケージ化した自家用スタンド、そして、物流拠点型スタンドの設置を積極的に展開していく」
    ―今後の展開について。
    「ポスト新長期規制がスタートするが、CNG車は、すでに基準をクリアしている。低NOx、PMゼロで環境性を先取りした車として、安心してお使いいただけるようニーズに応えていきたい」
    (高田直樹記者)

     
     
     
     
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