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    ニックフレート「信用とネットワークで営業拡大」

    2009年6月24日

     
     
     

     トラック輸送、鉄道貨物の通運事業、貨物取扱い、引越事業、産廃事業、倉庫・加工業など物流全般を手掛けるニックフレート(中曽根徹社長、埼玉県所沢市)の親会社は、東証一部上場でビニールクロスや不織布、高級書籍の表紙などの各種クロス類、コンピューターリボン、床材、衣料芯地などの製造・販売をメーンとするダイニック(細田敏夫社長、京都市右京区)だ。
     グループを構成する子会社14社、関連会社3社の中でニックフレートは物流部門を担い、年商21億円をあげている。創業時は個人資本だったが、現在はダイニック100%資本の子会社となった。


     営業所は所沢、東京、大阪、埼玉、滋賀の5か所で、それぞれグループ企業の工場と隣接して倉庫も持つ。倉庫の総営業面積は7450坪で、このうち2600坪と一番の面積を持つ埼玉営業所(深谷市)が主流となっている。保有車両はすべてウイング車で40台。8割以上が7t以上の大型車で、残りは4t車だ。これらの車両を、毎日各車1回転以上させることを目指しているという。さらに、運送事業者約30社も協力している。
     「扱い比率は、売り上げ全体では親会社がほぼ半分、グループ会社が1割、他社のアウトソーシングが4割弱。しかし、運送のみの売り上げでは親3割、グループ1割、他社6割になる」と説明するのは、営業を担当する常務取締役の小林悟氏。10年ほど前にグループ各社で一斉にISO14001(環境保全)認証を取得し、その頃から親会社やグループ会社以外の物流も請け負うようになった。現在、約80社を扱う。
     同社の営業は、社内各部の管理職がほぼ全員で行っており、小林常務は「同じ仕事が(運送が)毎回あるわけではない。営業を重ねて仕事を取らなくては先細りする。それには日頃の信用とネットワーク、つまり人脈が大切」と語る。さらに、「1日8回、親会社から直接、発送オーダーが入る。ほとんどがエンドユーザーに届けるスポット便なので、積載効率とルートを考えて自社便、協力運送事業者と分け、発送の手配をする。しかし、物流量が最多のオリジナルカーペット『ニードルパンチ』など、軽いが嵩(かさ)が張る商品が多いので、どう効率良く運ぶかの実車の組み方に悩まされている」と指摘。「効率を上げるには、受け取り側の協力も欠かせない」と述べる。
     同社のドライバーは37人で、平均年齢は40─45歳。エンドユーザーへの配達が多く、ドライバーへの教育も重要だ。朝礼はもとより、年に1度は外部から講師を招いて講習会を実施。「品質を高く保つのは当然だが、社会的責任として環境にも留意しなくてはいけない」。また、エコドライブの徹底だけでなく、93年には産廃収集運搬の認可も取得し、07年には鉄道貨物取り扱い認可を取り、複合輸送もプロデュースしている。
     小林常務は「これからは今までのようにまとまった荷物は少なくなるだろう。絶え間なく数多くの企業から仕事を請けなくてはいけない。今は敷地内の倉庫だけなので他社の荷物を受け入れられないが、将来的には外部の敷地に倉庫を拡大し、アウトソーシング事業を広げていきたい」と展望を語る。(小澤裕記者)

     
     
     
     
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