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    エコスファクトリー「高品質ペレットに見合うエコ物流へ」

    2009年7月7日

     
     
     

     環境ビジネスを展開するリサイクルワン(木南陽介社長、東京都渋谷区)が80%出資する子会社・エコスファクトリー(喜田知克社長、埼玉県本庄市)は、プラスチック再生事業を目的に06年5月に設立。07年に埼玉工場を建設し、昨年4月から本稼働した。敷地面積9847平方m、地上2階建て、延べ床面積5405平方mで、年間2万5254tという関東最大級の処理能力を有する。


     「09年度は周辺地域と近県の17自治体と契約し、家庭から排出される容器プラスチックごみを受け入れている。初年度は処理能力の50%までの処理しか許可されないため、この1年間の処理実績は処理能力半分弱の1万1500t。2年目以降は90%まで受け入れを許可されるが、来年度に限り70%までとの規制がかかった」と解説する喜田社長。
     廃プラは各自治体が一般家庭から回収し、ベール品と呼ばれる選別・圧縮した状態にして一定量が溜まるまでストックし、同社の回収便で工場へ運ばれる。全車10tのウイング車を使い、回収量は1日に7、8台分。稼働は月に約20日間。自社トラックは保有せず、08年は製品・ベール品ともに地元の運送事業者3社に依頼していた。
     しかし09年度からは物量の増加に伴い、回収は5社に拡大。基本的にはベール品の状態で10t車両に満載となる頃合いを見て配車予定を組むが、各自治体で回収が予定量に満たない場合や選別処理が間に合わない場合は出荷日が変更となり、配車スケジュールも急きょ組み直すことになる。「すべてスポット便だが、急な予定変更も少なくない。そんな状況でも台数がそろう機動力と融通が利く事業者にお願いしてきた」と話す。
     「09年度は関東トラック(松山栄記社長、埼玉県さいたま市)を通し、製品出荷は地元の運送事業者3社に協力をお願いしていく。全体の管理は関東トラックの親会社である東海運(弘津裕社長、東京都中央区)と関係会社の関東エアーカーゴ(松山栄記社長、同)に物流コントロールを受け持っていただく」と説明する。
     効率化に関しては「回収の際、圧縮したベール品のサイズは自治体ごとに違うため、同じ10t車でも積載量が異なる。しかも積み込み後は他所への立ち寄り不可の規制があるので、統一した効率化は難しい。対策は積載率をできるだけ下げないこと」と述べる。
     受け入れた廃プラ類は約50%の率でペレットに再生され、パレット製造企業などに販売。製品出荷には、08年度は10tウイング車で1日平均2、3台の量だった。喜田社長は「高性能な選別機3台と高い技術によってポリエチレン、ポリプロピレンの2種混合と、ペレットを3種類に作り分けられるのは、全国でも2、3社。関東では当社だけ。品質の高いペレットを作ることで、再生品の幅や可能性が広がっている」と話す。
     今後の展望として、「出荷する際の静脈物流で、廃プラ引き取りをするような組み合わせも工夫している。色々な公的規制もあり、物流面で効率化を進めるのは難しいが、高品質のペレット同様に物流面でも、より環境貢献していきたい」と語る。(小澤裕記者)
    ecos2.jpg
    喜田社長

     
     
     
     
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