-
運送会社
カネミ運送 奈良・郡山に「郡山物流センターKURA」開設
2020年10月6日
カネミ運送(大阪市港区)では粉粒体運搬車を中心に、10トンや4トンの平車も保有し、関西圏を中心に輸送事業を展開。今年8月には、奈良・郡山IC近くに「郡山物流センターKURA」を開設した。
セメント輸送をメインとしていた同社では、事業多角化の一環で、2年前から平車を導入し、一般貨物の荷主開拓に力を入れ始めた。内野美穂専務は、「セメント輸送は荷主に合わせて動くことが多いため、ほかの仕事がなかなかしづらい。その点、一般貨物は自ら動くことで広がりがあるはず」と、平車を活用した業容拡大に期待を寄せる。
一方、新センターでは、粉粒体輸送など、特殊車両を生かした業務に特化して事業を展開していく構え。竹原彰宏常務は、「粉粒体はフレコンで運ぶことも多いが、リフトで積むには手間も時間もかかる」とし、「これからますます人手不足が加速していく中で、粉粒体運搬車の需要は増えてくるのではないか」と見込む。「いずれはセンター内にサイロを建設する構想もある」という。
社長の妹でもある内野専務は、外車ディーラーに勤務していた経験を持つ。「この業界に入ってみて、仕事のやり方など、他業種との違いが多すぎることに驚いた」という。そこで、「変えるのは大変だが、変わらないと前には進まない」と腹をくくり、「先を見据えた将来のためのベース作り」としてさまざまな社内改革を手がけてきた。
まず取り組んだのが人材教育。「昔の運送業界と違い、荷主も『きちんとした人』を求めてくる。周りにどう見られるかを考えて行動するよう根気強く説明していった」。当然、反発もあったというが、「1、2年で社内の雰囲気が変わってきた」と目を細める。
同専務が社内改革に辛抱強く取り組むのは、「もちろん会社のためだが、社員のためでもある」からだ。「父も『自分のために働け』と言っていたが、どこの会社で働くかを選ぶ権利は社員側にある」とし、「社員には当たり前のように仕事があるとは思って欲しくないし、我々も『残りたい』と思ってもらえる会社にしていかなくてはならない」。
センター長や配車担当に女性社員を据えるなど、キーとなるポジションへの女性登用にも力を入れている。「未経験で固定観念がない人の方が、『もうやるしかない』と覚悟を決めて取り組んでくれるのでうまくいくことが多い」とし、「当社の女性社員は、みんな楽しみながらやってくれているはず」と笑う。
また、グループでデイサービス事業も展開。「介護問題を抱えている社員が、親を預けて安心して仕事ができるように」と考えたことがきっかけだという。「従業員の働く環境を整えることも会社として重要な課題だと考えている」と、自身も介護経験がある同専務は訴える。
今後も、一般貨物と新センターでの粉粒体輸送の二本柱でさらなる成長を目指す同社。特に新センターでは、働き方改革に対応するため、事務所の2階にシャワー室や宿泊設備も整備した。竹原常務は、「この奈良を中心に、同業者さんとの新たなお付き合いとネットワークも広げていきたい。ぜひ声を掛けて頂ければ」と語る。
◎関連リンク→ カネミ運送株式会社
関連記事
-
-
-
-
「運送会社」の 月別記事一覧
-
「運送会社」の新着記事
-
物流メルマガ