裕進運輸（渡部裕之社長、三重県三重郡菰野町）では本社オフィスの傍でひと際目立つテントが陣取っており、独自の存在感を放っている。

「従業員らの気分転換やリフレッシュになれば良い」との考えで導入されたテントは２０１８年の新社屋完成に伴ってバーベキューも可能なテラスやトレーニングジム、１００人が収容可能なセミナーホール等と併せて設置されたもので、一階の休憩エリアにおいて社長の似顔絵が目印であるカフェコーナーの前で静かに佇む。実際に中へ入ってみると社内空間でありながら即席のパーソナルスペースを確保でき、社長が語るように「頭を冷やす」「一度気持ちをリセットする」といった効果を得るには最適の場所と言えそうだ。

最近では生活習慣病や血管系疾病だけでなく心にトラブルを抱える傾向が強いデータが出ているドライバーが、心身両面で健全な状態で輸送業務を遂行するためにも欠かすことのできないメンタルケア。自粛ムードが解消されない世の中で「コロナうつ」と呼ばれる新たな社会問題が取り沙汰されるなかで、渡部社長は「久々に入った」というテント内から顔をのぞかせると、同社における安全運行を支えるためにも、あらためてその活用を呼びかけたいとする意向を示した。

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