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運送会社
ANA 3年目の沖縄ハブ貨物ネットワーク
2012年9月26日
全日本空輸(ANA)が「アジア・ナンバーワン」を目指し進めてきた「沖縄・那覇空港をハブとした国際貨物基地構想」が3年目を迎えた。那覇空港に専用上屋を建設し、「業界内で最速のアジア圏貨物便」を開始したのは09年。前年のリーマン・ショックの影響が世界全体の経済に色濃く残る時期でのスタートだった。貨物事業室長の岡田晃常務は経済環境を競馬に例えて、「重馬場のスタートだった」と話す。
「計画は07年に立てたもので、当時は液晶テレビなど国内生産が右肩上がりの状態。しかし実行の時には状況が変化していたので、規模などに関しては計画より若干縮小した部分もある」と岡田常務。「当初、10機を保有する計画だった中型貨物機を8機に変更し、沖縄ハブの運行を開始。その後、1機を増機し、現在の9機に至っている」。
羽田空港が24時間体制で離着陸できるようになったことで、沖縄ハブの貨物輸送ネットワークもさらに利便性が増したと言う。「翌日配達の受け付けは午後1時が締め切りだったが、今では夜9時台の便に載せれば沖縄で積み替えて深夜のうちに飛行し、翌朝にはアジア圏内の目的地空港に到着、即日配達が可能」と説明する。
顧客の一つ、ヤマト運輸はこのネットワークを活用し、アジア圏への宅急便サービス強化を開始。那覇空港でANAの敷地の一部を使い、仕分け作業を行う。今後は海外へのクール宅急便サービスも視野に入れている。
沖縄貨物ハブネットワークの周知策として、貨物ホームページも全面的にリニューアルした。「〝時間〟という代替えのきかないサービス提供を、国内外の企業にもっと知っていただきたいと考え、Webページを刷新した。既に反響があり、問い合わせもいただいている。今後はもっと拡大し、シンガポールやインドネシア、上海以外の中国の都市などにも就航したい」と話す。さらに「旅客事業での新型機ボーイング787の大量導入に連動して、旧型の767を貨物機に改修し、コストをあまりかけず、運行体制の強化も計画中」と打ち明ける。
ANAは今年設立60周年、フレイター事業は10周年、沖縄貨物ハブは3年。それぞれ節目の年を迎え、貨物事業に係わる2000人近いスタッフから士気を高める標語を募集。採用されたのは「見せるぞ、ANAカーゴの底力」。全社内240か所に標語を貼り、合言葉にして、各業務で最上の仕事を競い合い、より質の高いサービスを目指す。
◎関連リンク→ 全日本空輸株式会社 -
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