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運送会社
木村運送 想いを運び続けて100年「運送会社がやっていないことを」
2024年7月19日
【神奈川】「想いを運び続けて100年」。危険物輸送を中心に輸送サービスを展開する木村運送(木村収一社長、平塚市)は今年5月、創業100年を迎えた。
大正13年に東京市日本橋(当時)で創業し、平塚市に拠点を移した。手押し車からのスタートであったという。その後、事業の一部が他社へと枝分かれするなど変遷をたどった。時代の移り変わりとともにフォード社製トラックを導入し、トラック輸送に参入。平塚の工業団地の企業を物流面から支え、街の発展とともに成長してきた。今も当時の荷主との関係は継続している。
その後、ガソリンスタンドの経営や不動産事業など経営を多角化。特に不動産事業については、現在でも運送とともに同社を支える事業の柱の一つとなっている。
そんな老舗企業の舵取りを担っているのが木村塁取締役。同社に入社して10年ほどになる。「ほかの運送会社がやってないことを先にやろうと常に考えている」。同取締役を中心に改革に取り組んでいる。その成果の一つが2021年に立ち上げた自社ウェブサイトだ。フラットデザインを採り入れた一見運送会社に見えないスタイリッシュなデザイン。「訪問者が必要な情報をシンプルに伝える」ことに注力して作り上げた。
「運送会社ではなく荷主から直接の問い合わせが増えている」と同取締役。
ウェブサイトを作って以降、営業はアウトバウンドではなく、インバウンドが中心となった。ウェブサイトが同社の重要な営業ツールとして機能している。
特色である危険物輸送のほか、スタイリッシュなデザインが功を奏し、アパレル系の荷主からの問い合わせも増えている。ウェブサイトを作るにあたり、スタートアップやベンチャー企業のサイトを参考にした。一方で、老舗としての歴史を打ち出すことで安心感を与えることにも気を使った。
今でもすべての顧客に毎日顔を出す。新規営業に注力するとともに、既存顧客を大切にする姿勢に変わりはない。「次の100年について聞かれるが、そんな先のことはわからない」と笑う。中長期の経営計画は立てないという同取締役。「スピードが早く、どんどん状況が変わっていく中で、事前に計画したことが実行できるとは思えない」と続ける。今年度は就労機会を探す障がい者向けの施設をオープンする予定だ。「今期、来期と一つずつ達成した先に次の100年がある」と語る。新世代の舵取りを得て老舗企業は次の100年に向けて歩みを進めている。
◎関連リンク→ 木村運送株式会社
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