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    辻本商運 配送中に折れないレンガ販売、ピザ窯キットも好調

    2016年3月15日

     
     
     

     【兵庫県】アンティークレンガなどの販売も手掛ける辻本商運(兵庫県尼崎市)は、ピザを焼く窯のキット販売にも力を入れている。窯は、大人でひと抱えあるほどの半球形に仕上げるため、レンガを適当な大きさに切るためのカッターも導入。そのカッターがまた、新たなアイデアや商品を生む源泉にもなっている。
     レンガは、製鉄所の炉の定期交換時に出るものを再利用し、10年以上前から販売している。「十分に熱が加えられている」などとして独特の色や形が評判で、ネットの通販サイトでも「古レンガ屋やまぼうし」として上位にランキングされている。ユニック車なども保有する同社は、レンガの配送面の優位性は言うに及ばない。
     数年前からのピザ窯人気で、同社でもキット販売を始めた。7~8cm角の大きなサイコロのようなレンガを複数組み合わせて販売。モルタルを使って日曜大工で仕上げられる手軽さから、昨年だけで30セットを売り上げた。


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     仕入れてきた大きなレンガからサイコロ型に仕上げていくのには、丸鋸切りを使った本格的なカッターが必要になる。カッター導入のきっかけは、同社の辻本浩久社長が数年前、コーヒーショップの壁を見ながら、「こういうこともできるんだな」と気づいたことだった。
     カッターの導入は、レンガの中に鉄筋を入れて丈夫な構築物を作るといったアイデアに発展。レンガを積み上げる際、「コ」の字型にカットしたものに鉄筋を組み込みたいが、コの字型では配送中の衝撃で細くなった部分が折れてしまう。そこでカットの形を「ヨ」の字型(写真の左手に持つ物)にし、配送中の損傷を少なくすることに成功。ヨの字の中の部分は、金づちで軽くたたくだけで配送先の現場でも折ることができるので、鉄筋を組み込んだ構築物を造るのに支障もない。
     「配送中に折れにくいレンガ」として特許も取得した。まさに、運送業とレンガ販売のコラボレーションのなせる業だ。
     レンガ販売は、10トントラックで100台分にもなる年間約1000トン。「運ぶものを作る」という発想よりも、「本業の足しになれば」と思って始めたレンガ販売。一時はどちらが本業かというところまで売り上げが拮抗したが、「また、本業のほうが忙しくなって」と辻本社長。今では本業とレンガ販売の売り上げが7対3になっているという。

     
     
     
     
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