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運送会社
藤川運輸 藤川博規社長 「やると決めたら必ずやる」
2016年7月1日
【埼玉】「広島で、トラック1台で父親が始めた会社」と話すのは、藤川運輸の藤川博規社長だ。同社は、本社(安芸郡)と関東支店(鶴ヶ島市)を中心に地場配送のほか長距離輸送を手掛けている。
関東支店は自動車部品をメーンに菓子などのドライ食品の輸送に携わり、大型車を中心として約25台が稼働している。藤川社長は関東支店と本社とを行き来し、双方に目を配る。「今は、両方の拠点を見ているが、最初の仕事は関東支店を軌道に乗せることだった」と振り返る。
運送業未経験のまま、平成5年、24歳で入社すると「当時の社長だった父親から『関東支店をなんとかしろ』と言われた」という。立ち上げから1年の同支店は、広島とを結ぶ長距離便の大型車と4トン車、ドライバーは2人。「仕事に恵まれず、アンダーで時々走ればいい方という状況で、当初は採算も取れず、閉めた方がいいのではと思うほどだったが、意地だけでやっていた」と笑う。
「とにかく、まずはお客様を知ろう」と、荷主の工場に通い続けた。「最初は相手にされなかったが、3か月ほど通い続け、やっと話してもらえるようになった」と、現場で働く人が物流に対して感じていた「やりにくさ」「こうしてくれたらいいのに」という声をヒントに、責任者へ提案するようになった。「業界のことをなにも知らなかったから、満載で走れば効率的だと提案したり、現場の困りごとを解決するために提案をしていった」といい、徐々に信頼を得て仕事を増やしていった。
同社長は着任以来、「仕事を増やして稼ぐこと」にこだわってきた。しかし、仕事が増えてくると今度は、荷主から「車が汚い」「品質が悪い」と、毎日のように言われるようになった。「悔しくて、完璧にやってやろうと思った」と同社長。それからは毎月最終土曜日に輸送品質会議を行うようになった。事故事例の共有から始め、他社の取り組みも参考にして充実を図ってきた。同時に、ハード面ではデジタコ、ドラレコを全車に配備したほか、長距離は全線高速を使い、連続運転時間や休息時間の管理も徹底した。「最初は面倒がっていたドライバーも、今では休憩をとる習慣が付き、運行状況を見て休息も取れるようになってきた」という。
同社長は、「やると決めたことは必ずやる。品質向上とコンプライアンスは、たとえ長距離をやっていても、やり方次第でクリアできる」と経験から語る。「安全を第一に据え、そのための先行投資もしてきた結果、仕事の依頼も増えた」という。「1運行の距離を短くするために、長距離輸送の中継地点となる拠点を設けることも視野に入れている」という同社長。「今後も、品質と安全を担保しつつ、今以上に様々なニーズに応えられる会社にしたい」と話す。
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