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運送会社
島村運輸倉庫 社員の健康増進に注力
2017年8月4日
島村運輸倉庫(嶋村文男社長、東京都江戸川区)が健康経営に取組むことになったきっかけは、嶋村社長が東商社会保障委員会の委員、協会けんぽ東京支部の評議員になり、健康づくりの必要性を感じるようになったこと。東京都主催の講演会で「健康経営」という言葉を知り、大手健保組合の取り組みをヒントに、社員の健康増進の目的とした「健康スポーツ大会」を開催。同時に開催した協会けんぽ東京支部の健康セミナーや保健指導は、食や健康に関する知識を深められると、社員に好評だという。
取り組みのはじまりは、点呼時の体重測定だった。結果を点呼記録簿に記載し、毎月開催する安全会議で全社員の個人別体重表を公開。社員とのコミュニケーションツールの一つである安全ノートに月間の健康目標を記載し、社長がコメントを記入している。目標は「クーラーをつけっぱなしにしない」「暴飲暴食をやめる」などさまざま。1年で最大マイナス9kgを達成した者もいるという。
くも膜下出血で倒れたドライバーをきっかけに、今年から血圧測定も始めた。「もともと調子の悪かった胃ばかりを気にしていたが、血圧測定を習慣にしていれば防ぐことができたかもしれない」と悔やむ嶋村社長。それからというものの、計測した数値から個々のドライバーの傾向を分析し、運行計画の判断ツールに活用している。
定期健康診断結果で有所見者となった場合に医療機関で受診し、その事実を会社に報告する仕組みを構築。定期健康診断結果を企業が一括して健康サポートセンターに持っていく。チェックされた項目について医師の診断を受けるとともに、当該従業員は「健康診断結果に基づく医師意見の通知」を会社に提出。定期健康診断結果の活用により、同社ドライバーの2人に大腸がんが見つかった。
毎年12月の健康診断の際には感染症予防としてインフルエンザの予防接種も行っている。
これらの取り組みが、食習慣・運動習慣を改めるきっかけとなり、52人中37人が減量に成功。通勤方法を公共交通機関から徒歩にするなど、従業員も楽しみながら取り組んでいるという。
新規採用にもプラスの効果があった。同社では、高卒者を沖縄3人、屋久島1人、成田2人の計6人採用。入社にあたり、嶋村社長自ら実家を訪問し、会社について説明しているが、「なによりも両親が安心してくれる。人づくりを社訓に掲げる当社として、健康経営は一つのアピールポイントになると実感した」 と話している。
「健康づくりに会社として取り組むことは、体調不良・欠勤などの改善、企業のイメージアップにつながる」と嶋村社長。「健康を考えるきっかけは経営者がつくり、従業員それぞれが健康を考える習慣をつけていく」といい、今後は継続して取り組むことが課題だという。
「人を大事にし、若年者が入りたいと思う会社にしたい」と願う嶋村社長。 「ドライバーの健康管理を行うことが、今後の明るいトラック業界の礎になると信じている」と話す。
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