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運送会社
木佐森 大石正彦さん 危険顧みず人命救助、県警から感謝状
2017年9月8日
【静岡】「自分がバイクレーサーでもあるので、『生命』というものに敏感になっているのかも知れない。その時はとっさに体が動いて、事故をされた方を救助していた」と話すのは、木佐森(木佐森大介社長=写真右、榛原郡吉田町)の大石正彦さん(同左)。過日、高速道路を運行中に事故に遭遇。車内に閉じ込められていた運転者を無事救出し、県警から感謝状が贈られた。
事故は夜中の高速道路で発生。大石さんの車載カメラを確認すると、前方を走っていた軽貨物車が何らかの理由でハンドル操作を誤り、左右への蛇行を繰り返したすえに横転。「テールランプが、いつもとは異なる動きだった」と異変に気付いた大石さん。横転場所はカーブを曲がりきった地点でもあり、後続車の追突による二次災害も懸念される危険な場所であった。
大石さんは事故車両をかわし、前方にトラックを停車。警察、木佐森社長への一報を済ませると、発煙筒を片手に事故車両に駆け寄った。自身が事故に巻き込まれる可能性がありながらも、危険を顧みず救出に向かった。日常とは異なる場面であったが、機転を利かし冷静に対処していることがわかる。
事故車両は仰向けになる形で止まり、運転席にはドライバーが残されている。状況を考えると後続車両が突っ込めば、中のドライバーとともに大石さんの命も保証されない。リミットは発煙筒の使用時間の5分。後席のスライドドアを開けるも、荷物が倒れてきて断念。幸運にも運転席が開いたことで、どうにか救出し、事なきを得た。助けたドライバーとともに大石さんも安全な場所へ避難。発煙筒が消えた直後、ドライバーがいなくなった事故車両に4トントラックが追突。あと数分遅れていれば、大惨事に発展していたことは想像に難くない。
元全日本ライダーで、過酷なレースで知られている鈴鹿8耐ロードレースにも参戦している大石さん。命を掛けてやってきたレーサーとしての自覚が、誰よりも命の重さや尊さを理解している。実際に師事していた人物が、レースで亡くなるという体験もしている。
木佐森社長は「大石の勇気ある行動で、1人の生命が救われた。バイクレースで感じてきた『命の大切さ』が、今回の行動に出たと思う。救出できたことは素晴らしいが、一つ間違えば大石の命も危なかった。これからは安全を確保した上で、緊急時の対処方法も考えていかなければならない」と慎重に話す。
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