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運送会社
イーライン アジア初ピザ自販機、物流の最先端技術も搭載
2018年9月26日
【広島】イーライン(広島市中区)の谷口佳陽社長が考案したピザの自動販売機「Pizza Self」が今、大きな話題になっている。7月28日に同西区に設置すると各メディアで取り上げられ、インスタ映えすることもあり連日にぎわっている。日本だけでなくアジアでも初の事業について聞いた。
谷口社長は広島市内の運送会社の3代目として経営に携わりながらトラックにも乗っていた。ピザが食べたくても乗務が終わるのは宅配店も閉まっている時間。そんな8年前のある日、偶然YouTubeで目にしたピザの自販機の動画に衝撃を受けたという。
「物流の受注体制が受け身だということが疑問だった」という谷口社長。ピザの自販機を日本でやろうと決意したが「本業がうまくいっていなければできない」と考え、家業を飛び出した後のサラリーマン時代を経て6年前、自力でイーラインを立ち上げた。「自分で作ったものを自分で運べばいい。ピザ販売はあくまでも物流の一つ」(谷口社長)。1000坪の土地に、元から使っている300坪に加え今年500坪の倉庫を新設した同社。建材を運びトラックは10台と成長している。
会社設立と並行してピザと自販機の開発にも奔走。イタリアへも頻繁に渡り、紆余曲折を経てピザは現在、製造を任せているベネチアの会社にたどり着いた。「おいしければ必ず売れるという一心で、具体的なレシピを伝えるためにイタリア料理の学校に通ったし、研究に研究を重ねる日々だった」と当時を振り返る。
値段設定は運賃を含めて計算。「運送屋の息子でなかったらできなかった」と同社長。一方、飲食店の許可が必要となるピザの自販機の設置申請は国内初とのことで、厚労省まで巻き込んで半年かかるなど苦労の末に機器の据え付けにこぎ着けた。
現在の自販機は日本で使えるように最低限の改良を施したイタリア製。湿度が高い日本でも難なく稼働できるように現在、8社による共同開発で国産機を試作中で「機内の在庫状況を把握してピザをタイムリーに補充するなど、物流の最先端技術も搭載している」という完成機はこの冬にできる予定だ。今後は「3年で全国100台を目指す」と意気込みを語る。
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