ドライバーへの指示、荷主企業や協力会社とのやり取り、そして営業所間の連携など、運送業にとって「電話」は欠かせない連絡手段。
　厳しい経営環境にありながらも、膨大な通話料を「必要経費」として諦めている、あるいは「固定費」としてそれほど意識をしていない人も多いのではないか。
　そんな運送業界の既成概念を覆すのが、「音声定額プラン」を展開するウィルコム（東京都港区）の「法人割引サービス」だ。

　同社の「音声定額プラン」は、一定の月額料金を支払うことで、「070」で始まるPHSとの通話やメールの送受信が無料になるというもの。
　なかでも、複数台契約の「法人割引サービス」は、1台あたり月額2,200円で『通話し放題、メールし放題』の上、固定電話や他社携帯電話への通話もリーズナブルな料金設定になっている。
　たとえば、配車担当者に2台、ドライバー10人にそれぞれ1台ずつ端末を持たせた場合、月額料金はいくら通話をしようとも「2,200円×12台」で2万6,400円。
　これは、下手すれば携帯電話1台分の通話料よりも安い金額と言える。全国に拠点を持つ事業者では、各営業所でウィルコム端末を活用すれば、通信料の大幅な削減が期待できる。
　また、いわゆる「水屋」として取扱事業を展開する運送事業者では、その削減効果は計り知れない。
　
　運送業界にはまだなじみの薄い同サービスだが、同社広報グループの柿島京子課長補佐（写真右）によると「クチコミで着実に広がりつつある。また、定額制はもちろんだが、『低電磁波』というPHSの特性が評価され、医療業界での普及が進んでいる」と現状を説明する。
　なお、同サービスはこれまで、10回線以上を持つ事業者が対象であったが、今年3月からは3回線以上あれば適用されるようになる。
　柿島氏はこのサービス改善の経緯について「『10回線は必要ない』という中小規模の事業者様の声にお応えした」と語る。さらに、ウィルコム端末と固定電話間の定額サービスも開始している。
　これらの定額サービスをうまく使えば、これまでは考えられないほどの劇的な通話料削減も見込める。一事業者内での利用はもとより、取引会社同士が揃って同サービスを導入すれば、全ての通話が「月額2,200円×台数」の範疇となる。
　たとえば、頻繁に電話でやり取りする傭車先や荷主企業の担当者にもウィルコム端末を持ってもらうことで、驚くべきコスト削減が実現する。加えて、荷主企業の担当者から自社への通話も無料になるため、顧客満足につながるという側面も。

　柿島氏は「利用時間帯の制限もなく、24時間いつでも自由に使える点も特徴」と付け加え、「定額サービス開始後、21時〜26時の間の通話トラフィック量が70倍に増えた」と夜間の通話のニーズが高いことを説明。「運送業であれば、夜間配送などを手がける会社様に効果的にお使いいただけるはず」と話す。
　音質面について、同グループの岩崎匠史氏（同左）は「携帯電話は音声を圧縮する方式のため、たまに途切れることもあるが、ウィルコム端末であればその心配は無い」とし、「固定電話と同程度のクリアな音声」を強調する。
　その理由を「約16万局という基地局網が全国をきめ細かくカバーすることで、高い音質が確保できている」とした上で「お客様と通話する際も、途中で途切れて失礼になるということはない」とビジネスシーンへの適応度の高さをアピールする。
　なお、同社はこの基地局網により、端末を利用した位置情報サービスや動態管理サービスも提供している。ユビキタス事業推進部の田辺嘉明課長補佐（同中央）は「GPSと異なり、基地局からの電波を通して位置を検知する」と技術を説明。
　「昔の印象からか『は高速移動に弱い』というイメージを持たれがちだが、実際は、ホンダ製のカーナビに技術が採用されるほどの精度の高さを誇る」と力説する。
　音声通話から動態管理まで、幅広いラインナップを誇る同社サービス群。岩崎氏は「基地局網はすでに人口カバー率が99％に達している。さらにネットワークを拡大し、使い勝手の良さを追求していく」と語る。
　柿島氏も、特に定額サービスについて「これまでご存知なかった方にも、ぜひこの機会にご検討いただきたい。取引会社様など皆様で使っていただければ、メリットはさらに大きくなる」とアピールする。

　問合せは同社サービスセンター、電話0120（921）156まで。
　詳細は同社ＨＰ、　http://www.willcom-inc.com/
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　（07/2/6）