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    バンダイロジパル・馬場常務「上場廃止で思い切った戦略」

    2007年9月27日

     
     
     

     05年、玩具メーカーのバンダイとナムコが経営統合して、バンダイナムコホールディングスが設立された。それに伴いバンダイロジパル(簗田正治社長、東京都葛飾区)は上場を廃止、同ホールディングスの完全子会社となった。
     バンダイロジパルは63年、バンダイの輸配送業務の効率化とコスト削減を目的に設立され、「バンダイ運輸」としてスタート。その後、親会社の事業拡大とともに成長し、90年、店頭登録(現ジャスダック)を果たす。さらに、92年に社名を現社名に変更した。


     上場した経緯について、馬場範夫常務は、「人材確保と信用獲得のためだった」と振り返る。当時の日本経済は好景気の中にあり、企業は人手不足という問題を抱えていた。それは物流業界も同じ。こうした現状の打破をめざして同社は上場した。
     同時に外販を進め、親会社への依存度を六割に引き下げた。しかし05年、同社に転機が訪れる。親会社バンダイがナムコと経営統合し、バンダイナムコホールディングスが誕生する。
     ここで同社は100%子会社化の道を選び、上場を廃止。「上場しないほうが、大胆な取り組みができる」と、馬場常務は説明するが、事実、栃木県にあった自動倉庫を取り壊した。
     「本来、売上高が下がることを考えれば、倉庫の取り壊しは難しかった。しかし、上場廃止により思い切ってできた」と話す。
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     また、グループに対する即効性のあるコスト削減策として、運賃料率の見直しを行った。自ら、運賃の値下げを提案したのだ。同常務によると、「その結果、グループに対して約2億円の物流コストの削減ができた」という。 「株主を考えていたら、まずできなかったこと。事業展開がやりやすくなった」と話す。
     さらに、グループに対し、仕組みの変更による物流コストの削減を提案する。これまで、荷主が中国で生産した製品は、香港を経由して東京に運ばれてきた。東京にある倉庫で保管が行われていた。
     これに対し、同社は中国の深センに約3000坪の倉庫を建設。そこに製品をまず集約する。そこから、東京港と神戸港に分港。これにより、東京で在庫を抱え過ぎる必要はなくなった。また、分港することで、東京から関西へ輸送されていた横持ち輸送がなくなった。「保管にしても、日本国内のほうがコストは高い。中国でそれが可能となると、大幅な物流コストの削減が可能となる」とし、実際に2億円以上の削減が可能になると指摘する。
     同社は現在、バンダイナムコグループに対し、今後3年間で10億円の物流コストの削減をめざしている。「社内にも、社外にも、バンダイロジパルは変わったね…という姿勢を見せたい」と同常務。
     ただ、物流コストの削減は同社の売上高減につながる。特に、効率化を模索すればするほど現場との乖離が進む。
     同社は今年7月、ロジパルエクスプレスを設立。物流効率化などの提案営業を行うバンダイロジパルと、資産(車両や倉庫)の活用と、高品質なサービスを提供するロジパルエクスプレスと会社を分割し、役割を分担することで、「それぞれの責任の所在を明確にし、相乗効果を出していく」という。
     「3PLの専門化と、現場力の強化をめざし、グループのみならず、グループ外へも貢献していきたい」と抱負を述べる同常務。バンダイナムコグループの物流子会社として、勝ち残っていくためにまい進している。
    【会社概要】創業=63年8月、資本金=14億2400万円、従業員数=439人。玩具メーカーバンダイナムコグループの物流子会社。今年7月、3PLを主体とするバンダイロジパルと倉庫や車両を活用するロジパルエクスプレスに会社分割した。
    ◎関連リンク→バンダイロジパル

     
     
     
     
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