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    SCM共同ネット研究会 全国規模の物流ネットが本格稼働

    2007年11月9日

     
     
     

     SCM共同ネット研究会(滝沢保男幹事長)が進めていた全国規模の共同物流ネットワークがこのほど完成、11月から本格稼働する。基幹システムとなるのは、新開発のASPサービス「COMP―TRADES」(コンプトレーズ)。同システムによる情報支援の下、「共同輸配送」(求荷・求車)と「幹線取り次ぎ」が動き出す。
     全国各地の中堅トラック企業50社が参加。各社の地域特性と培ったノウハウを生かし、荷主の合理化要求にこたえるとともに、新規需要を掘り起こしていくという。


     既存のネットワークと違い、多数の著名な荷主・団体が参画している。同研究会が推進する業種別プロジェクトも並行して本格化する見通しで、今年年頭に打ち出した「産直分野で3年以内に50億円規模の市場開拓」にも拍車が掛かるなど、物流業界にとって「台風の目」となりそうだ。 
         ◇
     「コンプトレーズ」の運用とネットワーク運営は新会社「エス・アイ・ネット」(SIN、鈴木公社長=写真、東京都中央区)が担当。SCM共同ネット研究会は任意団体のため「会員相互の取引急増」など今後の展開を考慮し、事務局が中心となって今夏、急きょ同社を設立し準備を進めてきた。
     「共同輸配送」は参加各社を結ぶ求荷・求車システムが中心となり、画面上のシミュレーション機能で「どのように運ぶか」から、輸配送の確定、その他の取引に関連するすべての案件をフォローする。トラック事業者だけでなく、本部(SIN)で受託した物流案件情報も、規模にかかわらず24時間体制で流される。
     「幹線取り次ぎ」は全国10か所に「取次ステーション」を配置。それぞれの物流拠点を運用するメンバー会社が自社の受注に基づいてネットを活用、荷物の特性などに対応しながら広域物流に取り組む。ちょうど旧路線会社が営業所展開しているような格好だが、各社が独立した各地の中堅トラック企業ということで「荷量確保」は比較にならない。
     幹線メンバーは、共通運送(北海道)、青森定期自動車(東北)、南信貨物自動車(甲信越)、つばめ急便(関西)、江波運送(中国)、金生運輸(四国)、トワード物流(九州)など、大手顧客や大口需要を誇る中堅どころ。
     新規需要開拓の第一弾として「高付加価値型ドライバー」(仮称)総勢120人を参加50社に配備。大型量販店を中心とした家電業界のニーズに対応し、輸配送だけでなくパソコンや周辺機器の設置、インターネット接続サービスなどを12月からスタートする。
     SINの鈴木社長は「パソコン設置などは現在、参加全社で年間6万件以上の需要があり、さらに増え続けている。手数料を考えると運賃より割がいいはずだが、対応できるドライバーがいないためあきらめるケースが多い」と話す。既に「ITドライバー」などの呼称で同様の仕組みを設けている企業もあるが、「ネットワークで全国展開することで増大するニーズにこたえたい」という。
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    ■ネット体制確立で収益改善できるか
     SCM共同ネット研は、もともと中堅物流事業者と一般企業で構成した任意組織。業種ごとに「いまそこにある物流をどうするか」の論議から開始しており、物流業者、荷主企業双方のメリットを追求してきた。
     「厳しい現実をグチっても始まらない。『軽油価格は高い。運賃はもっと安くされる』と考え、『それではどうするか』からの発想でなければ生き残れない」と参加企業の一人は話す。基幹システムの完成、本格稼働が、荷主側にとって「効率的で廉価な物流」の実現となり、参加物流各社にとっては「収益改善に結び付くネットワーク体制確立」となるかどうかが試される。
    ◎関連リンク→SCM共同ネット研究会

     
     
     
     
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