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    クリナップロジスティクス・大竹社長「5年以内に外販比率を40%に」

    2007年11月20日

     
     
     

    「物流部の仕事をなくしてこい」。
    経営トップのこの言葉から、クリナップの物流改革が始まった。当時、クリナップには生産工場に物流部が設けられており、ここで在庫管理や入出荷が行われていた。そこに配属されたのが、現クリナップロジスティクスの大竹重雄社長だ。
     物流の仕事をなくす、いわゆる自分の仕事をなくすという厳命を受けた大竹社長は、クリナップの物流改善に着手する。


     おりしも日本は高度経済成長を続け、消費者ニーズは多様化し、メーカー側も多品種少量生産が主流となってきた。当然、クリナップもその消費者ニーズに対応しなければならなかった。しかし、そのままでは在庫を抱えきれないという課題に直面、物流改革は避けては通れない道となった。
     物流改善に着手した大竹社長は当時、全国に52か所あった倉庫を全廃し、保管業務をなくした。代わりに、積み替え機能を有するドッキング方式のプラットホームを設置、今では全国69か所に拡大している。
     こうして、クリナップの物流改善が進む中で、物流専門の別会社としてクリナップロジスティクスが02年10月に誕生、大竹社長が就任する。
     それまでクリナップでは、カスタマーサポート推進部の中の物流課として販売物流を担っていたが、資材部で担当していた調達物流も含め、物流子会社となった同社が担うようになる。
     受注から生産、納入まで一元管理するSCMの考え方は、クリナップには20年前からあったという同社長は、一連の流れを管理するコンベヤー方式を確立、物流効率化を進めている。
     「物流子会社として親会社の物流コストの低減は重要な役割だ」と同社長が話すように、同社の第一の使命はまず、親会社であるクリナップの物流コストの低減だ。「いかに我々の仕事がなくなるかということが、荷主の物流コストの低減につながる」と指摘する。
     ただ、物流の仕事をなくすということは、同社の売り上げ減を招くことになりかねない。荷主の物流コストの低減を進めれば進めるほど、同社にとっては業務の縮小につながるという矛盾を抱えている。
     「一企業として適正な利益を出し、安定した経営を行うことも重要」とする同社長も、それを否定しない。だからこそ、「外販を進める必要がある」と話す。
     現在、同社の外販比率は20%で、残りの80%がグループの仕事となっている。同社では、外販をさらに進めていきたい考えで、「5年以内に外販を40%にまで引き上げたい」としている。
     「確立したコンベヤー方式を武器に、外販を推し進めていく」とする同社長だが、その足を支える協力会社の存在も大きい。同社長が同じく社長を務めるクリナップ運輸があるが、輸送の多くは、地場の協力運送会社が担っている。
     同社は、こうした協力会社とともに、共同物流情報システムである「e─SLIMシステム」を活用した共同支線配送を展開している。
     また一昨年には、協力会社とともに、シーアークス物流研究会を立ち上げ現在、同研究会には全国で70社が加盟。「全国を組織化し、輸送品質、そしてコスト競争力ナンバーワンを目指す」としているが、最終的には、「シーアークス」ブランドの確立を視野に入れている。
     一方で、クリナップロジの方向性については、荷主の物流コストの低減、外販の拡大とともに、「まだ構築中で話せない」という新たなビジネスを合わせ、三つの柱で「確固たる地位を確立できるよう、向上に努めたい」と意気込む。
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    【企業概要】
    創業・2002年10月1日、資本金・5000万円、年商・約90億円

     
     
     
     
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