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運送会社
楽天 「楽天物流サービス」開始
2008年6月5日
インターネット通販大手の楽天(東京都品川区)は、同社運営のインターネットショッピングモール「楽天市場」出店者を対象とした物流代行サービス「楽天物流サービス」をスタート。
店舗運営に関するノウハウを軸とし、実務部分は同社の求める基準をクリアして「認定パートナー」と認められた物流事業者が手がける。すでに、パートナー第一号としてハマキョウレックス(静岡県浜松市)が決定。物流事業の宮田啓友事業長に話を聞いた。
宮田啓友事業長
現在、約2万3000の店舗数を誇る「楽天市場」には、さまざまな規模の店舗が出店している。「小さな規模の店舗だと、1日中出荷作業に追われているケースもあると聞く」(同事業長)ことから、出店者の負担軽減を目的に立ち上げられたのが今回のサービス。
同社は4PLの立場をとり、3PL事業者に店舗物流の実務部分をアウトソースしていく。事業者の選定には、約50の評価項目を用意。具体的には、物流工程を細かく切り分け、工程ごとの単価見積もりを求めるなど、「数字の『見える化』を図り、契約内容を可視化した上で建設的な交渉ができるようにする」。いわゆるSLA(サービスレベルアグリーメント)の手法だが、「(通販のような)BtoC物流ではまだ浸透していない」ため、事業者の選定は難航したという。今回の事業スタートにあたり、「40もの物流企業に声をかけたが、基準を満たしたのはハマキョウさんだけだった」。
ほかには、情報セキュリティの構築やマニュアル類の整備なども要求項目として掲げられている。同事業長は、「店舗とアウトソーサーの間に立ち、安心して任せられる事業者かどうかを選定する『目利き役』を担う」と、同サービスと同社の役割を説明。もちろん、同社が窓口となって物流を集約することで、スケールメリットによるコスト集約も狙う。
実務に関しては、「当面は、認定パートナーの営業倉庫の一部を利用するなど遊休資産を有効活用していく」。ハマキョウレックスは、浜松の倉庫内に50坪のスペースを用意しているという。
なお、店舗物流代行を開始するまでの流れとしては、まずECCと呼ばれる同社の店舗担当者がニーズをヒアリング。その後、同社のロジスティクス・コンサルタントが3PL事業者との折衝を含め、物流スキームの構築を行う。「在庫の引っ越しを含め、立ち上げまでは1.5か月程度」だという。
同事業長は、「たとえば海産物にしても、北海道や四国から送るより(消費量の多い)関東に拠点を構えたほうが、配送費が抑えられる」と説明。今後は認定パートナー数を増やし、ネットワーク化を図っていく考え。
具体的には、「ジャンルごとに担当企業を決める」などの展開を考えているという。「アパレルや海産物など、各分野ごとにノウハウを持つ事業者と組んでいきたい」。ネットワーク全体を統一するシステムも構築中だという。
楽天市場
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