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    クリナップロジスティクス大竹社長「基本は配送完了までの品質」

    2008年8月28日

     
     
     

     厨房機器・浴槽など住宅設備機器メーカーのクリナップ(井上強一社長、東京都荒川区)は、多様化した消費者ニーズに対応するため、在庫をなくす物流システムを確立している。そのシステムは、全国70か所に積み替え機能を有するドッキング方式のプラットホームを設置し、コンベヤーのスルー式で商品を消費者に迅速に届けるというものだ。
     同社の物流全般を担うのがクリナップロジスティクス(大竹重雄社長、同千代田区)。クリナップの物流子会社4社が段階的に統合されて今年4月、クリナップロジスティクスにすべて合併された。


     クリナップの商品は、まず工場から中継基地である各プラットホームに運ばれる。ここまでの幹線区間は、1日約150台のトラックが走る。自社便は約5分の1の30台程度、ひと筆書きのようにラウンド式で走らせているという。そして、プラットホームからさらに先、各消費者(顧客)へは契約している協力運送事業者が配送するシステムだ。
     運送事業者に求めるものとして、大竹社長は「ドライバーの意識。我が社の基本は品質、それも商品だけでなく配送完了まで一貫しての品質。だから最終消費者や施工業者などの顧客に直接会うドライバーも、クリナップの顔とも言える立場だけに『運べばいい』では困る。クルマに看板はつけていないがユニフォームを統一しており、帰属意識も高まる」と説明。
     ドライバー教育については、「エリアごと、プラットホームごとに保養と交流を兼ねて定期的に研修会を開いている。その効果なのか、レスポンス、つまり連絡体系は大変良い状態」とし、「新規に運送事業者などの契約を決めるには、まず相手事業者の経営者に会う。前向きな考え方ができる人か、対話してその人の経営姿勢を見れば、ドライバーの質も見えてくる」。大竹社長は、機会あるたびに自ら現場に出掛け、直接話をするのだという。
     「安い早いより、まず信用が第一。安定した運賃体系を確立することで、より良いドライバーの確保につながる」と同社長。協力事業者は現在約八十社を数えるが、契約はチャーター便での月極め方式である。「荷主側のニーズで言えば物流費はとにかく下げたい。しかし、品質が下がっては本末転倒。努力して物流コストを下げた分、利益が残ればよい」。
     これからの展望として、「3つの柱を掲げている」という。「第1はコストダウン。運賃を下げるのではなく、調達物流も製造も含めたトータルコストをグループ全体で下げて利益を残していく。具体的には、以前9%だった物流コストの比率を現在は6%までに改善したが、今後は5%台を目指す。第2に、現在30%程度の外販(アウトソーシング)を、営業力を強化して40%まで引き上げる。第3は、業態に縛られず物流につなげられる新しい分野を模索中」。
     良いものを守り、新しいことにチャレンジする同社の静と動のバランス感覚が活動力を生み出している。
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