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SCSK 車両整備情報をクラウドで一元管理「運送革命」 監査モードで担当者の負荷軽減
2023年8月1日
SCSK(東京都江東区)はこのほど、運送事業者の車両整備情報を一元管理できるクラウドサービス「運送革命」の提供を開始した。SIerとして、さまざまな業界でノウハウを積み重ねてきた同社。「デジタルに関するこの知見を、社会課題を抱える業界向けに活かしたい」として目を向けたのが物流業界で、同サービスを、「デジタルの力で、『フェア・効率的・ホワイト・エコな物流』を実現するための第一歩」とする考えだという。
グループ会社GranManibus(同千代田区)の仁昌寺大輔アソシエイトディレクターは、同サービス開発の経緯について、「運送事業者さんをはじめ、荷主、税理士、社労士、整備会社、学識者など約140社の関連する方々から1年近くかけてヒアリングを行った」と説明する。
運送事業者からは、「2024年問題」、「運賃が上がらない」、「他社との差別化が難しい」、「車両がたびたび故障する」などの悩みが、荷主からは「2024年問題が人ごとではなくなってきた」、「ブラックボックス化している物流コストを把握したい」、「CO2排出量を可視化したい」などの課題が寄せられたという。
これらを踏まえ、同社では運送事業者が持つ各種データの有効活用を提案。今回、第一弾としてサービス提供を開始した「運送革命」は車両管理に特化。現在、多くの運送事業者が紙ベースで管理している車両や整備に関する情報をデジタル化し、一元管理を実現する。
車両台帳は、車検証のQRコードを撮影するだけで作成が可能。SCSKモビリティ事業グループの辻位知子課長代理は、「使っていただくために、とにかくユーザーに負荷がかからないような設計を心がけた」と説明する。
また、スマートフォンで撮影した紙の整備請求書も自動でデータ化。整備履歴やリース契約、保険に関する情報も、請求書や契約書のデータをもとに一元化できる。
さらに、過去の整備情報をもとに、車両ごと、営業所ごとなどさまざまな切り口からデータを分析する「車両カルテ」も用意。「自社でデータを蓄積することで故障の傾向が把握でき、リスク回避のための対策を取ることが可能になる。車両に掛かる正確なコストが分かれば、運賃交渉の材料にもなるはず」。仁昌寺氏も、「購入してから手放すまでのトータルコストが見えてくる。どこで代替えをすればいいか、タイミングの見極めにも使える」と付け加える。
日常点検のペーパーレス化も支援。実施状況をドライバーがスマホで入力すると、管理者はPCで確認できる。さらに、「監査モード」では、監査で提出を求められる車両周りの書類をボタン一つで営業所ごとにダウンロードが可能に。「監査前に書類を準備する時間を大幅に短縮できる」という。
初期費用は0円。月額費用は1台1100円(税別)。同事業グループの安井柊介氏は、「対象車両の過去2年間の紙の整備情報を送っていただければ、無料でデータ入力を行う。基本データが入った状態で使い始めていただける」と説明。「負担がなく、無理なく使っていただけるように考えた。多くのユーザーに使っていただくことで、業界業界を変えていくうねりを作っていきたい。2024年問題にも貢献できるのではないか」と展望する。
◎関連リンク→ 運送革命
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