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    ブリヂストンタイヤジャパン 技能グランプリで作業標準化進める

    2016年2月8日

     
     
     

     タイヤによる事故は利用者だけでなく、メンテナンススタッフにも大きな危険が潜んでいる。国交省の統計によると、車輪脱落事故は2005年の69件から減少を続けていたが、11年を底に14年には45件にまで大幅に増加している。これを受けて同省は、トルクレンチなどでの規定トルク締め付け・増し締めの義務付けについて、14年に再通達している。また、タイヤの空気を充填する際の事故は年間20件あり、ほぼ横ばいで推移している。
     ブリヂストンタイヤジャパン(東京都中央区)では利用者・メンテナンススタッフの安全を確保しながら、全国どこの販売店でも品質の良いサービスを受けられるよう作業の標準化を進めている。これらを徹底するために推進しているのが〝技能グランプリ〟だ。
     「作業ブックを配布するだけでなく、しっかりとブックを見て作業し、かつ競技することによって内容を浸透させていく」と技術サービス本部の松永潤消費財第2・訓練技術サービス部長 。「新品のタイヤを生かすにもメンテナンスが重要。現場のメンテナンススタッフに、もっと光を当てたい」と話す。


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     技能グランプリは、安全作業の徹底と標準化のため2010年にスタート。年1回の全国大会は同社のビッグイベントとなっている。競技は「1人作業」と「2人作業」の2種類。後者は、「作業中に途中で電話がかかってきたり、その場を離れなければならないケースがある。そのときの申し送りがあいまいで、やった・やらないの話になって事故につながる可能性も考えられる」と、今年から導入した。店舗やロードサービスにおいては2人で作業をするケースが多いという。 
     昨年の地区予選参加者はブリヂストンタイヤショップ150人、直営店260人の合計410人。全国大会の出場者は、1人作業28人、2人作業が12組24人の合計52人。
     1人作業の場合、最優秀賞1人、優秀賞2人、入賞者5人を「技術エキスパート」に認定。さらに競技選考で作業標準安全項目を100%順守し、なおかつ学科選考で80点以上の者は「技能マイスター」 となる。「ある一定レベルの作業ができている店舗をブリヂストンとしてしっかり認定し、顧客がそれを見て『ここのお店は認定を取っているので安心して任せられる』となれば、メンテナンススタッフのモチベーションアップにもつながる」と松永部長は話す。
     ちなみに、国交省の統計から分析すると、タイヤ脱着作業から事故発生までの期間は、「1か月以内」の事故発生件数が26件で、全体の58%を占めている。事故要因は不明だが、「作業ミス」「増し締めの不履行」「日常点検の不履行」が考えられる。
     作業にあたった者はユーザー(自家整備)が最も多い44%(20件)、次いで整備工場が29%(13件)。「『タイヤ業者』も20%(9件)あり、安心はできないが、自家整備のところにもしっかりと作業することをおすすめしており、作業をやりきれない場合はブリヂストンのメンテナンスを提案している」。 
     しかし、「(こうした仕組みに)うまく参加できない販売店や顧客がいる」と松永部長。タイヤのバーストに関しては、全国各地で販売スタッフや顧客が安全性を体感できる機会を設けており、2010年以降、累計89回開催し、延べ参加人数は4585人にのぼる。「バーストがどれほど怖いのか、安全に作業するには安全囲いに入れなければいけないということを見ていただく。参加者には自家整備をしている運送会社もいらっしゃるので、意識して取り組んでいただけるよう啓発も行っている」。 
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      安全の確保には日頃の心がけから――。国交省の統計がそう語りかけている。松永部長も事故を防ぐには「ドライバーや整備管理者が日常点検をいかに行えるかにかかっている」という。「2007年4月の点検の義務化は大きく、日常点検・定期点検・タイヤのローテーション時の締め付けの方法については我々も重要視している。結局、整備管理者を中心にタイヤの入れ替えをしても、やったあとに漏れがあるから事故になっている。万一、漏れがあったとしても、ドライバーがきちんと日常点検をしていれば、早期に発見する可能性が高まる。そこをぜひ進めていただきたい」。
    ◎関連リンク→ ブリヂストンタイヤジャパン株式会社

     
     
     
     
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