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    リフト商事 稲葉重行社長 フォークリフトのレンタルに注力

    2015年12月29日

     
     
     

     昭和42年設立のリフト商事(東京都江戸川区)は、フォークリフトレンタルのパイオニアともいえる存在。現在も、「他社がやらないことに一歩踏み出す」という方針を掲げ、「オンリーワン」への道をさらに突き進んでいる。
     創業者の稲葉重行社長は、同33年にフォークリフトメーカーに入社。茨城県の工場に4年、東京・新橋の営業所でメンテナンスとして5年勤務した。その間に、「お客さんから『貸し車屋さんというのはないのか』という声を聞いた」ことから独立。当時、弱冠24歳だったという。
     「右も左も分からず、当初は料金表もなかった」が、時は高度経済成長期で、メーカーやディーラーも、まだレンタル市場には進出していない時代。「フォークが壊れると出荷作業が止まってしまうため、大手の工場をはじめ、営業せずともあちこちから問い合わせが殺到した」。当初は言い値だった料金も、「きちんとした料金表を作り、それが後に他社にも流れ、業界の基準となっていった」と笑う。


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     オイルショックで成長はいったんストップするが、そこで「身の丈に合った」経営を目指すことに。「社長と呼ばれても、まだまだ世間知らずのどんぶり勘定だった。経営者である以上、それを注意してくれる人もいない。自分で気がつかないとダメ」と、試行錯誤しながら経営方針を固めた。
     現在では1都6県にエリアを広げるまでになったが、当時のことを思い出し、「経営は山あり谷あり」と同社長。経験を重ねる中で、「この商売には土地や車両が必要で、大きな先行投資が不可欠。中途半端な規模がいちばん厳しい」ということに思い至り、「大資本のメーカーやディーラーと競争するのではなく、当社は隙間産業を目指すことに決めた」と話す。
     現在はレンタルが中心。「かつてはリースが7割を占めたが、税制改正で難しくなり、時代に合わせた需要を取り込むようにしている」という。
     営業方針に「オンリーワン」を掲げる同社。レンタル時の車止めのセットや、レンタル車にユーザーの社名を入れるサービスなど、顧客満足度を高める施策を次々と打ち出している。年次点検の際の外観塗装も好評だという。
     これらの取り組みは、全て「差別化のため」。「損して得取れではないが、サービスを気に入って喜んでもらえれば紹介してもらえる。かけた手間は、広告宣伝費として考えている」と説明する。
     市場には価格競争の波も押し寄せるが、「当社の良さを分かって頂けるユーザーとお付き合いしていきたい」と姿勢はブレない。「信頼を勝ち取り、積み重ねていく。ファンを作るための努力は惜しまない」。
     大切にしているのは「好奇心と挑戦」。社員にも自己研鑽と成長を促す。「仕事の勉強ではなく、人間としてどう成長していくかが重要」とし、「新しいことにどんどん挑戦して欲しい。さまざまなものを見ることで、一つのことしか見ていない人よりも違いが分かってくる」と話す。「社員の成長が会社の発展につながる。それぞれが成長することで、良い会社を作っていきたい」。
    ◎関連リンク→ リフト商事株式会社

     
     
     
     
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