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製品・IT
ボスティック・ニッタ 梱包時間を大きく削減、次世代包装用接着剤
2019年12月25日
世界トップクラスのシェアを持つARKEMA(アルケマ)グループ傘下のボスティック・ニッタ(大野原基社長、大阪府八尾市)は、次世代包装用接着剤「Kizen(カイゼン)」を提供している。
カイゼンはホットメルト接着剤であり、自動化ライン上でテープで梱包した場合と比較し、梱包時間が大きく削減される。
商品ラインナップも用途別に分かれており、精密塗布による包装用汎用接着剤のKizenForceや塗布温度が低いためセットタイムが早く熱安定性にも優れているKizenCool、冷凍用途ならびにカートンの接着梱包に適しているKizenIce、耐熱性に優れホット充填に適したKizenHeatの4種類が用意されている。ボスティック・ニッタ取締役の玉岡徹氏(写真右)は「例えば、KizenCoolは低温で塗布可能なことから、省エネに貢献可能な上、焦げ付きも発生しにくく、接着剤の詰まりも発生しにくい。有害な揮発材も大幅にカットしているため、安全性および安定性を向上させながら現場の効率を向上させる」と話す。ボスティックの包装用接着剤グローバルマーケティングディレクターのパスカル・ペローニ氏も「カイゼンは、世界トップレベルの技術を持ち約1兆円規模の売り上げを持つアルケマから材料・技術を提供され生産している。まさにハイパフォーマンスの結晶とも言える接着剤」としている。
更にパスカル・ペローニ氏(同左)は「カイゼンは、近年ニーズが高まっているEC物流はもちろん、飲料・冷凍食品の他、医薬品など多種多様な商品の梱包に対応可能」とし、更に他との大きな差について「カイゼンは1種類で対応できる幅が大きく、従来であれば複数のラインで複数の接着剤を必要としていたケースであっても1種類で全てカバーできた事例もある。梱包の効率化だけでなく、梱包資材の在庫管理の負担も軽減できる」と話す。その他にも、接着力の差から他社製品と比較して使用量が少なくなり、梱包材の塗布時間ならびに平均使用量を減少させられるコストメリットもあると教えてくれた。ボスティック内部の梱包でも同接着剤を活用している場面が見られており、物流現場の効率化・コスト削減・安全性および安定性の向上に貢献しているという。
また他社で、既に使用されているケースでは「世界トップシェアを持つアルコール飲料の梱包に必要な接着剤を8~9%減少させた」「数十本あったラインそれぞれに別々の接着剤を使用していたところをカイゼン1種類で全てカバーした」「アイスクリームの梱包における接着剤の使用量を60%まで減少させ、コストを約37%減少させた」などがあるという。
同社は、来年夏に日本初となる同社工場として、奈良に接着剤の新工場を新設予定。食品・衛生品の梱包に使用される接着剤を生産する工場となり、生産・供給体制の強化を図る。加えて、接着剤の研究に関わるアドバイザーなども勤務予定があり、奈良工場から日本国内での使用に適した新商品・新モデルが研究・開発されていくという。
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