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    韓国物流視察レポート(5)釜山新港への機能移転を促進

    2008年10月16日

     
     
     

     130年の歴史を持ち、世界第5位のコンテナ港湾である釜山港。コンテナ取扱能力は900万TEU程度とされる中、昨年度は1300万TEUを超え、今後もコンテナ取扱量の増加が見込まれている。
     1兆円にものぼる大規模な投資と、進出企業に対する大胆なインセンティブ付与を伴う釜山新港と背後物流団地の整備には、既存の釜山港の狭隘化、老朽化が背景にある。物流機能を新港に移すことで、釜山港はビジネス・観光の拠点として生まれ変わる。


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     釜山港は北港を中心に南港、甘川港、多大浦港などで構成され、コンテナターミナルのほか、旅客ターミナルや漁港、軍港など様々な機能を有しており、市街地にも近い立地。釜山港は近年、貨物処理能力が限界に来ていることに加え、背後物流施設も少なく、付加価値の高い物流サービスの提供が難しい状態だ。
     これらの問題を解決するため、釜山港の物流機能を西側約30kmにある新港に移していく。新港は15年には30バースの供用を開始し、年間1500万TEU処理機能を有する最新鋭の国際物流基地となる。物流機能を段階的に移すため、市内にあるオフドックコンテナヤードを潰し、新港に機能を集中させていく予定だ。
     現在はまだ、北港を中心とする既存の釜山港で貨物処理の九割程度を行っているが、来年からは爆発的に新港への機能移転が進むという。
     一方で、コンテナ・雑貨など今でも多くの貨物を取り扱っている北港は今後、再開発を進め、日本の横浜みなとみらい地区のような観光・マリーナ・ビジネス機能を高めた複合都市として生まれ変わる計画。「市民がアクセスしやすい美しい水辺空間の提供」「複合機能を備えた国際観光拠点の開発」が基本コンセプトだ。
     事業費約85億米ドルをかけ、北港の1─4埠頭一円約150万平方mを20年までに再開発する。商業施設、複合ビル、公園などを整備、これによる地域経済効果は315億米ドル、雇用創出効果は12万1000人を見込む。
     新しい物流拠点としての新港開発とビジネス・観光拠点としての北港再開発は、コインの裏と表の関係にあり、戦略的に棲み分けを行うことで街全体の機能を高めていく。
     問題は、物流機能のシフトがスムーズにいくかという点。釜山の港湾施設の開発、管理運営を行う釜山港湾公社(BPA)は、「現在は北港の処理能力を超えた貨物を新港で取り扱っている段階だが、世界的なターミナル運営会社が新港に入っており、円滑に移行していく自信はある」とする。
     BPAの盧基太(ノ・ギテ)社長は「釜山は北東アジア地域の物流港湾の最適地として、また世界海上交通の幹線港として発展している。新港は北東アジアの物流センターとして一番優れた条件を取り揃えており、企業のビジネスの成功を約束する」と力強い言葉を述べる。(玉島雅基)

     
     
     
     
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