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    物流不動産・特別座談会「さらなる成長を見込んで」(3)

    2008年10月23日

     
     
     

     物流不動産・特別座談会の第3回目をお届けする。
    【出席者】
    司会進行:物流エコノミスト/鈴木邦成氏
    オリックス不動産 物流投資事業部長/伊土弘一郎氏
    コマーシャル・アールイー インベストメント事業本部長(兼)ロジスティクス・リテール第一事業部長/井口隆之氏
    野村不動産インベストメント・マネジメント 物流施設事業部長/山田譲二氏


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    野村不動産インベストメント・マネジメントの山田氏
    鈴木「国内に物流不動産が登場したことで、非常に様変わりしたと思うんですよ。いままでは、3PLをやる時には物流施設関連の負担は全部、事業者が担わなくてはならなかった。いまは、物流不動産の会社に施設は作っていただける。それを借りて使うということになれば、3PL事業者や物流事業者にとっては、大きなメリットだと言えますね。では、各社、テナント企業での成功事例など、何かアピールポイントがあればお願いします」
    山田「当社は物流セクターへの投資を始めるにあたって、継続的な事業展開を最初から決めて事業を行ってまいりました。一つの施設だけ手始めに投資を行い、その物件だけの誘致をし、マネジメントをするというのはなかなか難しい課題です。やはり、ある程度の事業ロットがあって、しっかりプロフェッショナルの領域でノウハウを吸収し、事業を展開していかないとうまくいかないものです」
    「こういった物件を手掛ける中でテナントニーズを汲み取り、結果としてA物件で掘り起こしたニーズをB物件でテナント誘致に成功するという事例が出てきております。また、当社では、戦略として『長期保有で永続的なマネジメント』というのを掲げております。一度ご入居いただいた企業様とは長いお付き合いになりますし、5年後も10年後もいい物件であり続けられるような、そういうものづくりやマネジメントを行っていくことを、会社のポリシーとして掲げています。マーケットの変動は大なり小なりありながらも、継続して、しっかり地に足をつけてやっていくと。そういうことを考えております」
    鈴木「なるほど」
    山田「いろんな物件をやることが、お客さんにとっても施設選択の幅が広がることになってくると思いますし、そういう物件の供給が結果的に物流効率化を進めるような形になってくれば、業界全体としては良い方向になっていくのではないかとも考えております」
    鈴木「井口さんどうですか」
    井口「物流不動産の分野はかなり成熟している段階にあると思います。当社も含めて各社さん、出だしの頃はわからない点や至らない点もあったかと思いますが、数を重ねてノウハウもだいぶわかってきて、より『良いモノ』を作れるようになったと。つまり、立地や汎用性を持ったスペックとか、そういったところを間違いないような形で作れるようになってきたかなと。そういう中で、『良いモノ』を作っていければ、間違いはないと思います。『良いモノ』をどうやって作るかというと、テナントさんの意見をどこまで採り入れられるかにかかっています。テナントさんも永続的に借りられるかどうか分かりませんので、抜けてしまったら誰も使えないというのでは意味がない。そのテナントさんにとって、最適なものでありつつ、汎用性も兼ね備えているという、両方を満たすような形の立地とスペックを、これまで磨き上げてきたので、それを今後高めていければと思います」
    井口「これまでの事例の特徴は、『土地を買って、そこに誘致していく』というものでしたが、最近は、テナントさんから『このエリアで探している』という情報をいただくことが多いです。例えば、『CREロジスクエア加須II』は、テナントさんから『このエリアでやりたい』というご相談をいただいて、当社に集まって来た情報を元にご提案したところ、契約が決まりました。そのようなマッチングを増やしていきたいです。また、最初からテナントさんとやっていただくとなると、事前にゼネコンさんを含めて、綿密な打ち合わせをします。テナントさんによっては、ハイレベルな建築を要求されますので、そういう要求に対応するため、日々、コンストラクションマネジメントのノウハウも高めています。当社の場合、金融というより、デベロッパーに近い形ですので、物流のリーシングに加え、建築・不動産を強めていきたいと思います」
    伊土「当社の社長が一番最初に既存物件を買いに行った時、現地を見て、『なんでトイレがあんなに汚いのか、あり得ないよ』と言いました。当社はホテル・マンションとか、いろいろなものをやっていますので、『オリックスがオーナーになったら、パートの方たちにこんな汚いトイレを使わせるのは非常に恥ずかしい。何のために、ホテルやマンションを運営しているんだ』と。今でも、竣工の時に最初に見られるのはトイレです。女性に対して、どこまで気を遣っているのか。オリックスの看板を付けるからには、そういう細かい部分も気を遣えるよう、常々注意しています。パートの方が働きやすい、集まりやすい施設にしようと。我々も他社さんの物件を見させていただくと、すごく使い勝手が良くて、テナントさんを向いている良い物件を作っておられるとわかります。ただ、使い勝手が良いものを作るのは当たり前です。当社としては、そういう細部にまで気を遣っています」
    伊土「特に当社の場合、グループ会社に球団もありますので、そちらのイメージにも影響して来る可能性があり、かなり重要です。大阪の堺市に2物件・4万坪持っており、決まったテナントさんと毎週会議をしていますが、エレベーターの開閉方向一つにしても、かなり細かいところを話し合います。先日、そのテナント企業の常務が『ありがとうございました』って、わざわざ近くまで来ておっしゃったんですよ。作っている時は大変でも、ああいう場面に出会うと、テナントさんの意向を汲んで作り上げると、喜んでもらえるんだと実感しました。企業にとって、1万─2万坪の倉庫を借りることは、社運にかかわります。ですから、何でそんなことにこだわるのかなというような細かい要求のボールを投げられるので、できるだけ受けなきゃいけないし、打ち返すべきは打ち返さなきゃいけない。テナントさんの要望がある一方、決められた予算がありますから、そのバランスは各社さん、ご苦労されていると思います」
    鈴木「そこまで気を配っていただけるなら安心ですよね」
    伊土「当社で作った倉庫でよくあるケースなんですけど、きれいな倉庫を作ることは、企業の直接の収益には関係なくても、中で働く人や倉庫を見た人への企業イメージのアップにつながります。小売りの場合だったら、商品の販売アップにもつながるんで、そこまで意識してやっていこうというのがあります。なかなかそこまで意識してやったら採算が合わないんですけど、ただ、大事な部分だと思います」
    鈴木「実際、物流施設に対する関心は高まっています。さまざまな方が熱心に見学会に参加されていて、学生などの物流センター見学なども増えています。同時に物流施設に対する見方も完全に変わってきていますね」
    伊土「子を持つ親としては、社会科見学で来てほしいですね。メーカーの工場とか多いですけど、物流施設もすごくきれいでシステム化も進んでいるので、子供が見たらだいぶイメージも変わると思います」
    鈴木「現在、地方の活性化と物流施設の建設を併せて考える動きも高まっています。つまり、工場が海外進出して国内が空洞化になる。そうすると、流通構造の中で重要度の高い施設となると物流施設となるわけです。物流施設を地方に呼び込めば雇用も創出できるし、活性化するという考え方がかなり出てきているともいえましょう。最初から物流施設内に見学コースを取れるようにする必要性も高まっています」
    伊土「今後、物効法を利用することも検討しています。賃料設定を通常より安くできますし、環境を意識してできますので」
    (第4回につづく)

     
     
     
     
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