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    物流不動産・特別座談会「さらなる成長を見込んで」(5)

    2008年11月6日

     
     
     

     物流不動産・特別座談会の第5回目をお届けする。
    【出席者】
    司会進行:物流エコノミスト/鈴木邦成氏
    オリックス不動産 物流投資事業部長/伊土弘一郎氏
    コマーシャル・アールイー インベストメント事業本部長(兼)ロジスティクス・リテール第一事業部長/井口隆之氏
    野村不動産インベストメント・マネジメント 物流施設事業部長/山田譲二氏


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    オリックス不動産の伊土弘一郎氏
    鈴木「物流不動産の場合は市場への新規参入のハードルが高いですから、商業施設、娯楽施設などを作るのとは勝手が違うでしょうね」
    伊土「エリアによっては全然テナントを入れられない、供給過剰と思う所もあります。やはり、しっかりエリアを選んで、ターゲットを絞らないといけません」
    山田「物流不動産の特徴として、タイミングが非常に重要と思います。場合によっては、交渉に1、2年かかるケースもあります。ビジネススタイルとして、オリックスさんのようにテナントさんを見つけてから着工するという手法もあるでしょうし、極端に言ったら『1、2年空いていてもいい』という考え方もあり得ます。重要なことはテナントの、そういった動きに対応できるビジネスをしっかり構築していくこと。多分、プロロジスさんぐらい大きな事業領域でやっていると、一、二物件空いていても問題ではないのではないでしょうか。事業ポートフォリオの拡大も、テナントリスクに対するヘッジをきかせられる重要な戦略だと思います」
    伊土「建て替えニーズということで先ほど申しましたが、そこに、どれだけ組み込めるかも重要です。現実は、運送や倉庫業者さんは所有意識が強いので難しい。ターミナルにある所有倉庫って、築30年とか経っているんです。建て替えていく必要があると思います」
    井口「機会があれば、当社も入り込みたいですね」
    伊土「当社の場合、物流不動産だけじゃなく、グループ会社ではトラックのリースなども行っており、そういった角度からもアプローチしていますが、建て替えを提案するのは時期尚早という感じです。それに、古い倉庫は住宅と隣接しているものが多く非常に危険です」
    鈴木「都心の場合、工業地域・準工業地域だったところにも、マンションができてしまいます。シンガポールやヨーロッパなどは、都市の物流機能をきちんと集約していますよ」
    井口「倉庫側が住宅側に進出することはなくて、工場地帯だったところにマンションが建ってくるケースが多いです。行政の規制も大きくて、我々だけでは対応できないところがあります」
    鈴木「難しい問題ですね。物流施設は消費地にも必要ですが、都心部に近ければ地価も賃料も高くなってしまう。羽田空港の24時間化、国際化などで首都圏の羽田・成田の二極化も進み、都心の混雑も予想されます。荷主企業も物流企業も、物流拠点をどこに置くかに、これまで以上に悩むことになるかもしれません。各社のお考えや今後の取り組みがよく分かりました。また、定期的にこういった機会を設けたいですね。ありがとうございました」
    (了)

     
     
     
     
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